【健康コラム】油は悪いだけではない!油と健康との関係

油は太るというイメージがある方は多いと思いますが、油も身体には大事な栄養素でもあります。今回は油の種類と健康との関係についてご紹介します。

脂質は大事な栄養

脂質はエネルギー源、細胞膜の主成分、ホルモン生成など、健康であるための様々な役割を担っていて、炭水化物、タンパク質と同様大切な栄養素です。ただ摂りすぎると太る原因になる他、様々な健康に悪い影響があるため、適度に摂ることが重要となります。

また、近年は脂質の種類と健康との関係について研究も進んでいて、種類も選んで摂ることも大切なことがわかってきています。

脂肪酸の種類

食事から摂っている脂質のほとんどは「トリアシルグリセロール」というもので、トリアシルグリセロールはグリセリンに脂肪酸が3つついた脂質です。この脂肪酸には様々な種類があって、油によって含まれる脂肪酸の種類や割合が異なっているのです。

脂肪酸は肉や卵、乳製品に多く含まれる「飽和脂肪酸」と魚や植物油に多く含まれる「不飽和脂肪酸」に分けられますが、飽和脂肪酸は過剰摂取がLDLコレステロールや中性脂肪が増える原因になるため、摂りすぎに注意が必要です。一方、不飽和脂肪酸はその種類によって身体によい影響を与えるものあることがわかってきています。

■不飽和脂肪酸の種類と働き
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体内ではつくることのできない脂肪酸を「必須脂肪酸」と呼び、DHA、EPA、αリノレン酸、リノール酸が該当します。あくまでも摂りすぎには注意が必要ですが、身体に必要な脂肪酸も意識して日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

n-3系脂肪酸と健康との関係

特に最近はn-3系脂肪酸と健康との関係が注目されており、冠動脈心疾患の予防に有効であることが示されています。2015年の食事摂取基準では、n-3系脂肪酸は18~29歳男性2.0g、女性1.6g、30~49歳男性2.1g、女性1.6g、50~69歳男性2.4g、女性2.0gが目安量とされています。

さば1切れ(約100g)には2.1g、さんま1尾(約120g)には4.5g含まれますので(日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編)、意識的に魚を取り入れることで十分に目安量を満たすことができます。

※参照論文:Del Gobbo LC et al. JAMA Intern Med. 2016 Jun 27. doi: 10.1001/jamainternmed.2016.2925.“ω-3 Polyunsaturated Fatty Acid Biomarkers and Coronary Heart Disease: Pooling Project of 19 Cohort Studies.”

執筆者プロフィール

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朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。

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マネーステップオフィス編集部
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