【健康コラム】健康寿命を延ばす生活習慣とは

「健康寿命」という言葉は広く知られるようになりましたが、具体的に何を指すのでしょうか。また、日々の生活の中で何に気を付けたらよいのでしょうか。

健康寿命とは

健康日本21では、「健康寿命」とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています*1。平均寿命から健康寿命を引いた寿命が「不健康な期間」とされています。
日本人の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳、健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳と報告されており*2、不健康な期間は男性で9.02年、女性で12.40年あるということになります。

ところで何をもって「日常生活の制限」とするかですが、日本においては質問紙の「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか。」の回答の有無で健康寿命が算出されているため、介護が必要でなかったとしても回答者が「日常生活が制限されている」と感じたら不健康群に含まれることになります。

世界との比較

WHO(世界保健機関)の統計をみると*3、平均寿命は男女合わせて1位(83.7歳)、男女別でみると男性は6位(80.5歳)で女性は1位(86.8歳)です。健康寿命でも日本は74.9歳と1位の結果でした。WHOでは健康寿命の算出方法が国内と異なり、世界疾病負担(Global Burden of Disease: GBD)研究、多国間調査研究(Multi-Country Survey Study :MCSS)、世界健康調査(World Health Survey:WHS)を合わせて評価したものです。

国内、国外での健康寿命の算出方法は異なるものの平均寿命、健康寿命共にトップクラスである日本ですが、今後ますます高齢化が進む中では「不健康な期間」をいかに縮めることができるかが、個々人の健康にとっても日本の医療費の削減にとっても重要となります。

健康寿命を延ばすために日々の生活でできること

厚生労働省は平成23年に健康寿命を延ばすことを目的に「スマート・ライフ・プロジェクト」という活動を開始しました。このプロジェクトでは「運動」「食生活」「喫煙」の3つの生活習慣に着目して、具体的に生活習慣に取り入れられる目標を示しています。

  1. 運動:毎日10分の運動
  2. 食生活:1日プラス100gの野菜
  3. 禁煙:禁煙の促進

運動と食生活に関して具体的例を下記のように示してみました。

項目 具体例
毎日10分の運動 通勤・通学の際に片道5分(往復10分)歩く時間を増やすようなルートにする、10分のウォーキングをするなど
1日プラス100gの野菜 青菜のお浸しなどの小鉢(1皿約50g)を一日2皿増やす、スムージーや野菜スープを取り入れるなど

以上のように考えたら、すぐに生活の中に取り入れられそうですよね。
詳しくはwebsiteからご覧いただけます。
スマート・ライフ・プロジェクト
 
【参考文献】
*1 生労働省(2012.7)健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料
*2 厚生労働省(2014.3) 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会,    第2回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料   
*3 World Health Organization (2016) World Health Statistics 2016: Monitoring health for the SDGs

執筆者プロフィール

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朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。