医療保険制度改正法が成立 高額療養費制度の見直しなど今年から開始
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5月29日、健康保険法の改正案が参議院で可決されました。これにより、公的医療制度に関して、高額療養費制度の改正、OTC類似薬の保険給付の見直し、出産費用の無償化などの変更が行われます。
高額療養費制度の見直しで所得区分を細分化 年間上限が新設
月の医療費が一定額を超えた場合、年齢と所得額に応じて定められた上限額を超えて支払った分は払い戻しを受けられます。これが高額療養費制度です。
今回の改正により、所得区分が全15区分に分かれ、2026年8月と2027年8月の二段階に分けて1ヶ月ごとの上限額が引き上げられます。
また、新たに年間上限が新設されます。
高額療養費制度は月の医療費により適用有無が判断されるため、月をまたいでの入院などの場合には月ごとに医療費の再計算が行われます。
そのため、月ごとの限度額に医療費が届かずに高額療養費制度の対象とならないケースもありました。
こうしたケースでも、今回新設された年間上限に医療費が達した場合は、それ以降の医療費負担が不要になります。
この年間上限も所得額に応じて区分が分かれており、2026年8月からは7区分、2027年8月からは8区分で運用されます。
OTC類似薬の保険給付範囲見直し 薬剤料の4分の1が追加で負担
処方される薬の中には、同じ有効成分を含む市販薬(OTC医薬品)が販売されているものがあります。こうした薬を「OTC類似薬」と呼びます。
OTC医薬品は全額自己負担である一方で、OTC類似薬の薬剤料は原則公的医療保険が適用されるため、自己負担は1割~3割に抑えられています。
これまでの議論では、OTC医薬品とOTC類似薬との公平性を保つため、OTC類似薬の公的医療保険適用を対象外とする方向で検討されていました。
今回の改正は、公的医療保険給付の範囲の見直しにとどまります。そのうえで、OTC医薬品でも代替可能な症状(鼻炎、胃痛、痛み、肩こり、風邪症状など)にOTC類似薬を用いる場合は、薬剤料の4分の1を追加で負担することになります。
なお、子どもやがん患者、難病患者については配慮措置の実施が検討されています。
妊娠・出産への支援策強化 出産の無償化に加えて現金給付などを実施
妊娠・出産にかかる費用の自己負担軽減のための制度変更も行われています。
妊娠した場合、妊婦と胎児の健康状態を定期的に確認するため、妊婦健診の受診が必要です。妊婦健診の費用は公的医療保険の適用対象外で、原則全額自己負担となっています。
妊婦健診の費用は病院ごとに異なり、その費用負担が課題となっていましたが、今回の改正で妊婦健診費用について標準額が設けられることになりました。
また、これまで公的医療保険の適用外だった正常分娩は、出産育児一時金の支給から公的医療保険から病院への直接支払いへ切り替わります。これにより、標準的な出産でかかる費用は全額無償化されます。
さらに、手術や入院準備にかかった費用をまかなうため、現金給付も行われることとなります。
<出典URL>
厚生労働省「医療保険制度改正法が成立しました」
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