写真:PhotoAC
今月のマネー・健康関連の主要トピックを、わかりやすく3分で解説します。
■企業が転職者に求めるものは「即戦力」、転職者が企業に求めるものは「仕事の内容」 厚生労働省転職者実態調査
■火災保険への水災補償付帯率が減少 6割を切る地域も
2022年1月から、傷病手当金や出産育児一時金が変更
2022年1月1日から、健康保険法の改定により、傷病手当金や出産育児一時金などの一部が変更されました。
傷病手当金:支給期間が「通算1年6カ月」へ
病気やケガで仕事を休んだときに給付される「傷病手当金」の支給期間方法が変わりました。
これまでは「支給開始から最長1年6カ月」とされていました。たとえば支給期間の途中で一時的に復帰した場合には、出勤日は支給を受けられませんが、この期間も1年6カ月に含まれていました。改定により、途中で就労をして支給を受けていない期間は支給期間に含まず、「通算で1年6カ月」、傷病手当金を受け取れるようになりました(手当の支給開始日が令和2年7月2日以降が対象)。
出産育児一時金:流産などへの支給額が4千円引き上げ
子どもを出産したときに受け取れる出産育児一時金の額が一部引き上げられました。妊娠週数が22週未満での流産や、産科医療補償制度に加入していない医療機関などでの出産時に受け取る支給額が、40.4万円から40.8万円へ引き上げられました。2022年1月1日以降の出産から対象です。
健康保険の任意継続:希望すれば脱退が可能に
このほかに、退職した人が任意で勤務先の健康保険に加入を続けられる、「任意継続」も変更がありました。会社を退職した後に健康保険を任意継続した場合、従来は原則として途中での脱退ができませんでした。2022年1月1日からは、希望すれば任意継続している健康保険から脱退できるようになりました。
<出典URL>
厚生労働省「令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます」
全国健康保険協会「健康保険法等の一部改正に伴う各種制度の見直しについて(傷病手当金、任意継続、出産育児一時金)」
企業が転職者に求めるものは「即戦力」、転職者が企業に求めるものは「仕事の内容」 厚生労働省転職者実態調査
転職の際、企業側と転職者側のミスマッチを少なくすることは、双方の満足度向上のために重要です。厚生労働省の実施した「令和2年転職者実態調査の概況」では、企業・転職者それぞれを対象に調査を実施しました。
転職者の採用に企業は意欲的
企業向けの調査では、今後3年間で転職者を採用する予定があると回答した事業所は53.3%だった。前年比0.7ポイント上昇した。特に建設業、運輸業・郵便業、ITで高かった。また、規模別に見ると事業所の規模が小さいほど新卒者より転職者を優先して採用を進めたいとの回答割合が多かった。
転職者の採用にあたり企業側が重要視するのは「人員構成の歪みの是正」や「既存事業の拡大・強化」など
企業が転職者の採用時に重要視するポイントでは「人員構成の歪みの是正」「既存事業の拡大・強化」の回答がいずれも4割を超えた。採用理由では「経験を活かし即戦力になるから」が6割以上を占め、次いで「専門知識・能力があるから」など、企業が転職者の高い能力を即戦力として活用したい意向がうかがえた。
転職者の満足度は高い水準 一方で賃金・役職面で不満も
転職者向けの調査では、転職先に対して総合的に満足している人の割合が53.4%と、半数以上だった。しかし仕事内容、賃金、人間関係、福利厚生など項目別に見ると、賃金は46.6%、役職は34.7%と他の項目に比べて低い結果だった。
<出典URL>
厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」
火災保険への水災補償付帯率が減少 6割を切る地域も
台風や豪雨による損害に備えて火災保険に付加する「水災補償」の付帯率が、2020年度に66.6%だったことが、損害保険料率算出機構の調査でわかりました。付帯率は近年減少傾向が続いています。
水災補償付帯率は2013年度以降減少 3年連続7割を切る
水災補償付帯率は、同機構が集計を開始した2013年度以降、全国的に減少が続いています。都道府県平均の付帯率は2013年度には76.9%でしたが、2020年度には10ポイント以上低い66.6%でした。直近では3年連続で全国平均が70%を切っています。
地域別では奈良県が付帯率最低 集計以来初の6割未満に
地域別に見ると、奈良県は59.6%と全国で最も低い付帯率でした。かつ、集計以来初の60%未満の結果でした。
また、例年付帯率の高い山口県も79.7%と、初めて付帯率が80%を切りました。
大雨や台風などの水災は増加傾向に ハザードマップを確認して補償の検討を
日本では大雨や台風などの災害が発生することが少なくありません。同機構は「近年、大雨や台風による水災被害が増えています。ハザードマップなどでご自身の水害リスクを確認し、必要な補償が受けられるよう、火災保険の契約内容を確認することが大切です。」と、水災への備えを呼びかけています。
<出典URL>
損害保険料率算出機構「「火災保険 水災補償付帯率」(2020年度)をウェブサイトに掲載しました」
損害保険料率算出機構「火災保険 水災補償付帯率」