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■国民年金保険料の最終納付率は78.0% 9年連続上昇 若年層の納付率は低迷傾向
■企業の生産・売上の景況感が3期ぶり上昇 労働経済動向調査5月度
東京都の自転車保険加入率は62.8% 義務化で増加
東京都が今年3月に行った調査で、自転車保険の加入率が62.8%と2年連続で増加したことがわかりました。都内では令和2年4月から自転車利用中の対人賠償事故による損害賠償などに備える自転車保険への加入を義務化しています。義務化される前の令和元年に比べて16.2ポイント増加しました。
30代から60代の自転車保険加入率は6割超
都が実施した「自転車利用中の対人賠償事故に備える保険等に関する加入状況調査」によると、自転車保険の加入率は60代で75.0%など、30代から60代では6割を上回っています。一方で、20代は加入率が48.2%と全年代で最も低く、「分からない」は21.3%と最も高くなっています。
約半数は義務化きっかけに加入
また、自転車保険への加入を決めたきっかけは「東京都自転車条例が改正され、加入が義務となったから」を挙げる人が49.1%と最も多く、およそ半分の人が義務化に後押しされて加入したことが明らかになりました。
次いで「既に加入している自動車保険や火災保険、傷害保険などの特約として付帯していたから」(20.6%)、「自転車購入時に勧められたから」(15.5%)などがきっかけになっている人も見られました。
自転車専用保険を選択する人が最多
自転車事故での賠償責任に備える保険には、自転車専用の保険のほかにも複数の種類があります。しかし加入率が最も高いのは自転車専用の保険で、回答者の54.5%を占めています。
他の保険の加入率は、「自動車保険や火災保険、傷害保険の特約」(36.1%)、企業や学校など団体を通して加入する「共済・会社等の団体保険」(8.6%)、「クレジットカードの付帯保険」(5.5%)、自転車の購入や点検時に貼付されるTSマークに付帯する「TSマーク付帯保険」(5.2%)などでした。
これらの方法でも、自転車保険の義務化に対応することができます。
<出典URL>
都民安全推進部「令和3年度 自転車利用中の対人賠償事故に備える保険等に関する加入状況調査報告書」
国民年金保険料の最終納付率は78.0% 9年連続上昇 若年層の納付率は低迷傾向
厚生労働省が6月に公表した国民年金の加入・保険料納付状況によると、令和3年度の国民年金保険料最終納付率が78.0%だったことがわかりました。2年連続の70%超えで、納付率を公表した平成16年度以来過去最多となりました。
納付率は9年連続増加も、世代により差
国民年金は主に自営業や非正規雇用の労働者、専業主婦・主夫などが加入する年金で、保険料納付率は毎年度算出されています。令和3年度の最終納付率(未納分を遡って納付できる過去2年分を集計した納付率)は前年に比べ0.8ポイントの増加、平成22年度以降9年連続の上昇でした。
年齢階級別のデータを見ると、年齢にほぼ比例して納付率が高くなっています。最も納付率が低いのは25~29歳の68.98%で、最高は55歳~59歳の84.44%でした。40代以降は納付率がおおむね70%を超えており、全体の納付率を引き上げている傾向にあるようです。
未納者は5年連続で減少 納付免除・猶予制度利用者は増加傾向
国民年金保険料を納めていない人は106万人と、前年比マイナス9ポイント、5年連続で減少しています。
一方で、保険料の納付が難しく納付免除・猶予制度を利用する人も増加していることもわかりました。
国民年金では、失業や所得が一定以下であるなど経済的理由がある場合、保険料の一部または全額免除、あるいは納付の猶予を受けられます。生活保護受給者については法定免除制度が適用されます。また、学生については在学期間中の保険料納付を猶予される特例制度が設けられています。
法廷免除・全額免除を受けている人は382万人、学生特例を含む猶予制度の利用者は230万人、合わせて612万人と3年連続で増加しています。
<出典URL>
厚生労働省「令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況について ~ 令和3年度の最終納付率は78.0% ~」
企業の生産・売上の景況感が3期ぶり上昇 労働経済動向調査5月度
厚生労働省は6月23日、令和4年5月度の労働経済動向調査の結果を公表しました。生産・売上額が「増加」と回答する企業が「減少」と回答する企業数(「生産・売上額等判断等D.I.」)を上回り、前期に比べて11ポイント増加しました。これは3期ぶりの上昇でした。
宿泊業・飲食業や製造業などが大きく増加 学術研究や金融業は減少
調査は、30人以上の常用労働者を雇い入れている事業所を対象に、労働経済に関する変化や課題の把握のために四半期ごとに行われているもの。
令和4年4月~6月は、調査対象となった12産業のうち9業種の生産・売上額等判断D.I.が増加しました。その中でも特に増加幅が大きかったのは「宿泊業、飲食サービス業」で、前回比30ポイント増でした。次いで「製造業」(同17ポイント増)、「情報通信業」(同15ポイント増)、「運輸業、郵便業」(同14ポイント増)などが増加しています。
一方で、「学術研究、専門・技術サービス業」(前回比5ポイント減)や「金融業、保険業」(同4ポイント減)、「生活関連サービス業、娯楽業」(同2ポイント減)などではマイナスでした。
雇用の人材不足続く 半数以上の事業所が求人中
労働者の過不足状況については、産業全体で正社員の過不足は37ポイント、パートタイム労働者の過不足は28ポイントで、いずれも「不足」の回答が「過剰」を上回る結果となりました。平成23年8月調査から44期連続して不足超過が続いています。また、人員の不足により求人を実施している事業所は54%でした。
新卒採用強化を予定する事業所が増加
こうした状況から令和5年の新卒採用に積極的な姿勢を見せる事業所が多くなっています。令和4年に比べて新卒採用予定者数を増やす事業所が、減らす事業所を上回りました。
学歴ごとに「増加」回答の割合を見ると、高校卒が22%、高専・短大卒14%、大学卒(文科系)17%、大学卒(理科系)19%、大学院卒11%、専修学校卒12%となりました。
採用予定者数の増加理由では「長期的に育成することが必要な基幹的業務を担う者の確保」が全体で最も多く、30%以上の事業所がこの理由を選択しています。
<出典URL>
厚生労働省「労働経済動向調査(令和4年5月)の概況」