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給与を受け取る会社員などの確定申告で、来年春からは電子申告システムに自動入力できるようになる見通しです。
2023年4月21日に行われたデジタル庁の会見で、河野デジタル大臣が、電子申告システム「e-Tax」を用いた確定申告で給与所得入力を不要とする方針を発表しました。2024年の申請分から自動入力が実現できるよう、システム改修などを進めていく予定だとしています。
源泉徴収票をオンライン提出している企業・事業者で働く人が対象
給与による所得の情報は、源泉徴収票として勤務先である企業・事業者が税務署へ提出しており、一部の例外を除き給与等が年間500万円を超える従業員については源泉徴収票の提出が企業側に義務付けられています。源泉徴収票の提出方法には紙のほかオンライン提出があり、オンラインで提出された源泉徴収票について、来春から確定申告時の自動入力の対象になる見込みです。勤務先がオンラインで源泉徴収票を提出した場合、従業員がe-Taxで確定申告を行う際に給与所得などの情報が自動入力されます。
確定申告時の自動入力の対象になるのは、企業に提出義務のある給与年収500万円超の従業員だけでなく、年収にかかわらず源泉徴収票がオンライン提出された人すべてとなる見通しです。
オンラインでの確定申告は自動入力機能が年々拡充されている
e-Taxを使ってオンラインで確定申告申請を行う際の自動入力は、マイナポータルと連携をすることですでに一部の項目で実装されています。2023年時点の確定申告では、医療費控除に必要な医療費や、寄付金控除に必要なふるさと納税、保険料控除を受けるのに必要な社会保険料・生命保険料・地震保険料の情報などが対応しています。また、株式などの取引による所得を申告する際に必要な特定口座年間取引報告書、公的年金等の収入を申告するための源泉徴収票も、自動連携の対象となっています。
<出典URL>
デジタル庁「河野大臣記者会見(令和5年4月21日)」
国税庁「No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等」
e-Tax「法定調書の作成・提出について」
国税庁「マイナポータル連携で自動入力!」
マイナポータル「確定申告の事前準備について」