経営者の就業不能 約7割は病気が原因 リスクと対策に関するデータを解説

Last Updated on 2021/12/13 by マネーステップオフィス編集部

写真:PhotoAC

病気やケガなどで働けなくなると、治療にかかる医療費や収入の減少が心配です。経営者の場合にはそれに加えて売上の減少や事業の継続への懸念もあります。経営者が就業不能状態になったときの影響や対策について、調査データを参考に考えてみましょう。

就業不能を経験した経営者、その理由と影響を調査

中小企業経営者のうち、1カ月以上の休職を経験したことがある412名(元経営者を含む) を対象にエヌエヌ生命が実施した調査によると、就業不能となった理由で最も多かった原因は「病気」(67.0%、276名)でした。具体的な病名は「がん」が最も多く、次いで「脳卒中」、「心疾患」と、いわゆる三大疾病が上位を占めています。

年代別にみるとこの傾向は年齢が高いほど強いようです。一方、40代以下では精神疾患や胃腸炎による就業不能が三大疾病を上回っており、事業継続のリスクになる病気が年代によって異なることがわかります。

就業不能時には公私ともにお金に影響

経営者が働けなくなると、事業とプライベートの両面でお金への影響が及ぶリスクがあります。調査でも、多くの経営者が就業不能により売上や自身の生活費に影響があったと回答しています。

経営面への影響

病気などで会社経営を離れていた際、売上が減少したと回答した経営者は60.7%。年代別に見ると、40代以下では75.9%、50代は58.8%、60代以上は54.8%と、若い世代ほど売上への影響を受けたと回答しています。

プライベートのお金への影響

経営者の多くは会社の経営だけなく、個人の家計も担っています。そのため就業不能時にはプライベートのお金にも影響が及ぶことがあるようです。働けなくなった際に「自身・家族の生活費」に困ったという人は48.8%と約半数を占めています。こちらも年代が若いほど割合が高く、若手経営者の就業不能はプライベートのお金にも影響を与えやすいことが伺えます。

生活費以外にも、「医療費・療養費」(31.1%)、「住宅ローンの返済」(8.7%)、「自動車ローンの返済」(5.5%)のお金に困ったという回答もみられます。

経験者が考える、事業面での就業不能対策

このように、経営者が働けなくなることは公私でのお金のリスクにつながる恐れがあります。経営面では廃業を検討したという人も4割近くいて、事業継続の大きな支障になるとも考えられます。

その対策として、調査に回答した経営者が「このようにしておけば良かった」ということには、「保険への加入・拡充」(35.9%)、「経営引継ぎの準備」(21.4%)、「事業ノウハウの社内共有」(20.4%)「臨時経営者・後継者の指名」(19.7%)が挙げられています。これらを計画的に行うことが、事業上のリスク軽減につながるかもしれません。

就業不能リスクとは

就業不能リスクとは、病気やケガで働けなくなるリスクのことです。病気やケガで療養が必要となり、その期間に仕事を休まなくてはいけなくなると、それに伴い収入が減少する場合があります。経営者が働けなくなると事業の継続に支障が出るだけでなく、個人の生活にも影響が及ぶ恐れが考えられます。就業不能リスクに備える方法には、個人としては原則として労災保険や傷病手当金といった公的制度の補償対象ではないことを考慮し、民間の就業不能保険や所得補償保険で療養中の収入減少を補てんすること、事業面では債務の返済や運転資金確保に活用できる経営者保険が考えられます。

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<出典URL>
エヌエヌ生命保険「中小企業向け事業保険のエヌエヌ生命 中小企業経営者の就業不能に関する実態を調査」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter