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■10月から「産後パパ育休」創設 男性の育児参加が柔軟に 改正育児・介護休業法が施行
■特定商取引法が改正 消費者を誤認させる記載が禁止に
6月から児童手当法が改正 10月支給の6~9月分より高所得者への児童手当が停止へ
令和4年6月より児童手当法が改正されました。子どもを養育している人の所得が上限限度額を超える場合に、児童手当の支給がなくなります。これまでは所得が一定以上でも特例給付として子ども1人につき一律月5,000円が支給されていましたが、上限限度額を超えると、特例給付も停止します。
年収1200万円以上は児童手当の支給対象外に
法改正により、児童手当を受け取れる世帯に所得水準の上限が設けられました。所得上限は前年の扶養親族の人数と所得を基準に設定されます。子ども2人と年収103万円以下の配偶者がいる会社員の場合には、年収目安1,200万円(所得972万円)になります。所得がこれ以上になると、児童手当を受け取れなくなります。
所得額が一定以上の家庭には、子ども1人につき一律月5,000円が支給される特例給付があります。しかし今後は、所得上限を超える場合は特例給付からも対象外になります。
この変更は、10月支給(6~9月分)の児童手当より適用されます。高所得でも、所得上限に満たなければ、これまで通り、特例給付を受けられます。支給額も月5,000円で変更はありません。
現況届の提出は一部の人を除き原則不要に
児童手当を受け取る人については、今後は受給手続きの負担が軽減されます。これまでは資格確認のために毎年6月に必要だった現況届の提出が原則不要となります。
提出不要になるのは、自治体が現況を公簿などで確認できる場合です。ただし、前年度、前々年度に現況届が未提出の場合や、住民票の住所と児童手当を受け取る住所が異なる場合などには、これまで通り現況届の提出が必要です。
<出典URL>
内閣府「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案について」
10月から「産後パパ育休」創設 男性の育児参加が柔軟に 改正育児・介護休業法が施行
10月から、育児・介護休業法の改正により、男性が育児参加のために取得する休業が拡充します。新たに、通常の育休に加えて取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設されます。また、男女ともに育休の分割取得が可能になります。
柔軟な育休取得を促進するための産後パパ育休の創設
新たに設けられる「出生時育児休業(産後パパ育休)」は、男性が育休とは別に、子どもの産後8週以内に4週間の休業を取得できる制度です。産後パパ育休の取得期間中には、出生時育児休業給付金も受けられます。支給額は休業開始時の賃金日額の67%相当額で、休業日数分を受け取れます。
子どもが生まれるとき、男性には産休が無いため、これまでの育児休業制度では産後直後からの育休取得しかできませんでした。これが、「産後パパ育休」の創設により、子どもが生まれてすぐに、育休とは別枠で休みを取れるようになります。
産後パパ育休を所得する場合は、事前に事業主への申し出が必要です。
1歳まで、育休の分割取得や父母での交代取得も可能に
また、男女ともに10月から育休の取得も柔軟になります。これまで育休は取得期間に関わらず1回のみしか取れませんでしたが、子どもが1歳までなど取得可能な時期内であれば、夫婦それぞれで2回まで、分割して取得できるようになりました。
子どもが保育所には入れないなどの理由で1歳以降も育休を取得する場合には分割取得ができませんが、かわりに、育休の開始時点を柔軟に設定できるようになります。従来は子どもの1歳時点または1歳半時点しか設定できませんでしたが、途中の期間から育休を開始できるため、夫婦で育児期間と仕事をする期間を交代するような取得が可能になります。
<出典URL>
厚生労働省「育児・介護休業法 令和3年(2021年)改正内容の解説」
厚生労働省「令和4年10月から育児休業給付制度が変わります」
特定商取引法が改正 消費者を誤認させる記載が禁止に
6月1日、改正特定商取引法が施行されました。改正により、商品やサービスの定期購入について、消費者を誤認させる記載が原因で申し込みをした場合の取り消しが可能になります。
通販の定期購入に関する誤認表示や契約解除の妨害を禁止
改正特定商取引法では、通信販売やECサイトで、消費者が契約内容を誤認するような表示が禁止されました。たとえば、通販注文の最終確認時、1回限りの購入か定期購入かどうか、そして初回価格と2回目以降の価格が違う場合はその旨、そして解約の方法や条件(追加支払いの有無など)について明記することが、販売業者側に義務付けられました。
ネット通販は、訪問販売や電話勧誘販売ではないため、無条件で消費者が契約を取り消せる「クーリングオフ制度」は原則として適用されません。しかし今回の改正により、次のような表記が原因で契約内容を誤認して契約してしまった場合は、消費者が契約を取り消せる可能性があります。
・「プレゼント」「初回無料」などの記載が強調されて、支払いが発生する契約であることが分かりづらい
・「お試し」などの記載を強調しているが、実際には定期購入契約であり、記載内容と契約内容に矛盾がある
・「いつでも解約可能」としているが、解約方法が限定されていたり、解約料が発生したりすることが分かりづらい
定期購入に関するトラブルは増加傾向にある
消費生活センターへの相談の中で、定期購入に関する消費者相談件数は年々増加しており、2020年には5万件を超える相談が寄せられているそうです。今回の法改正は、こうしたトラブルから消費者を守るために行われました。
法改正により販売業者への規制が強化されましたが、トラブルを防ぐには消費者の心がけも重要です。消費者庁では、消費者自身に対しても最終確認画面で
・1回限りか定期購入か
・2回目以降の価格はいくらか
・どうすれば解約できるのか
について確認することと、注文画面のスクリーンショット撮影による保存を呼びかけています。
また、トラブルにあった場合は消費者ホットライン(188番)での相談を推奨しています。
<出典URL>
消費者庁「令和3年特定商取引法・預託法の改正について」
消費者庁「インターネット通販の定期購入トラブルには御注意を! 令和4年6月1日から、通販の注文時に内容を確認する際の表示がより明確になります。」
消費者庁「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」