【2022年8月】 3分でわかる今月のマネートピック

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8月から雇用保険の基本手当日額が引上げ 失業時の給付金が最大日額90円増へ

8月1日から、雇用保険の基本手当日額が変更されました。雇用保険に加入していた人が失業時、所定の条件を満たすと受け取れる基本手当日額が引き上げられ、1日当たり最大で90円増額されました。また、育児・介護休業時に受け取る給付金の支給限度額も増額されました。

45歳以上60歳未満は日額+90円、最低額も+64円

基本手当とは、雇用保険の被保険者である労働者が失業をした場合に受け取れる給付金です。
失業中の生活費の心配なく就職活動に専念し、スムーズに再就職できるように支援するもので、原則、離職した翌日から1年間受給できます。

1日当たりの給付額を基本手当日額といい、最高額と最低額が決まっています。それぞれ、8月から下記の通り変更されました。
■最高額
(1)60 歳以上65 歳未満 7,096 円 → 7,177 円(+81 円)
(2)45 歳以上60 歳未満 8,265 円 → 8,355 円(+90 円)
(3)30 歳以上45 歳未満 7,510 円 → 7,595 円(+85 円)
(4)30 歳未満      6,760 円 → 6,835 円(+75円)

■最低額
2,061円→2,125 円(+64円)
出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26885.html より引用

実際の支給額は離職前の賃金に応じて決定します。離職日直前6カ月間の賃金(賞与を除く)のおよそ50~80%で、かつ上記の最低額から最高額の範囲です。

高年齢雇用継続給付や介護・育児休業給付の金額も見直し

雇用保険の改定に伴い、高齢で働く人や介護・育児に関する給付も8月から変更されました。

60歳以前に比べて賃金が75%未満になった場合に受け取れる「高齢者雇用継続給付金」は、支給限度額が360,584円→ 364,595円に引き上げられました。

1歳未満の子を養育するために休業した場合に受け取れる「育児休業給付金」は、上限額が下記のとおり引き上げられました。
支給率67%:301,902円 → 305,319円
支給率50%:225,300円 → 227,850円

家族の介護のために休業した場合に受け取れる「介護休業給付金」は、支給限度額が332,253円→335,871円に引き上げられました。

<出典URL>
厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」
厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和4年8月1日から~」
厚生労働省「令和4年8月1日から支給限度額が変更になります。皆さまへの給付額が変わる場合があります。」


金融教育の必要性を感じる人は7割超 日銀「金融リテラシー調査2022年」結果が公表

日本銀行などが運営する金融広報中央委員会が7月に発表した「金融リテラシー調査2022年」の結果によると、学校での金融教育を必要だと感じる人の割合が7割を超えることがわかりました。また、これまでに金融教育を受けたことがある人は、ない人に比べて金融リテラシーが高い傾向も見られました。

金融教育を受けた人の金融リテラシーは高い傾向

調査は、同委員会が18~79歳の個人3万人を対象に行ったもの。生活設計や家計管理等の「金融教育」について、学校で行うべきと回答した人の割合が71.8%でした。

実際に金融教育を受けたことがある人の割合は7.1%と少数ながら、年々増加しています。また、金融リテラシーを問う問題への正答率は金融教育を受けた人で63.9%、受けていない人で55%と差がありました。

1カ月の支出を把握している人は7割超

調査では、ライフプランや家計のお金への認識もまとめられています。調査対象者全体では、1カ月の支出を把握している人は73.6%でした。また、「人生の3大費用」である老後の生活費、教育費、住宅費の必要額を認識している人はいずれも半数以上でした。特に教育費では59.6%と高く、さらに具体的な資金計画を定めている人も52.1%と半数を超えました。

一方で、老後の生活費ならびに住宅費については、資金計画を策定している人は4割弱でした。

金融情報を見ない人のリテラシーは低い傾向

金融・経済情報をみる頻度は「ほぼ毎日」(33.6%)が最も多くなっています。しかしながら月1回以下(19.5%)、「まったく見ない(20.4%)」という人も多く、これら頻度の少ない人の金融リテラシーの正答率(35.2%)は、全体平均(55.7%)よりも低いことも明らかになりました。

<出典URL>
金融広報中央委員会知るぽると「金融リテラシー調査2022年調査結果」


渋谷区で出産助成金のコンビニ受取サービスが開始 LINEで申請

渋谷区は7月1日、「ハッピーマザー出産助成金」の申請に関する実証実験を開始しました。渋谷区のLINE公式アカウントに申請を行うと、コンビニなどに設置されているセブン銀行のATMで助成金を直接受け取ることができます。

10万円の出産助成金をLINE申請で受け取れる

東京都渋谷区では、出産時に健康保険から支給される出産育児一時金とは別に、住民に子ども1人あたり10万円の「ハッピーマザー出産助成金」を支給しています。

対象は妊娠12週を超えて出産をし、出産日の3カ月前から申請日まで継続して区内に居住している健康保険加入者です。国の制度として健康保険から受け取れる42万円の出産育児一時金とは別に受け取れます。ただし、健康保険から他に独自の給付を受ける場合はその金額分が差し引かれます。

これまで、受給は窓口や郵送での手続きと預金口座への振込みにより行われていましたが、7月からはLINEで申請し、コンビニATMで受け取れるようになりました。

出産費用には出産一時金や出産手当金による補助がある

病院や助産院などでの出産費用は、帝王切開などを除き原則として健康保険が適用されず、全額自己負担になります。この経済的負担を減らすために、健康保険には給付制度があります。

分娩費用に相当する補助は子ども1人につき42万円を受け取れる「出産育児一時金」があります。また、会社員や公務員はそれに加えて、産前産後休業中に、収入の3分の2相当を受け取れる「出産手当金」があります。

さらに、加入している健康保険組合や住んでいる自治体によっては、上記にプラスして独自の付加給付を受け取れるところがあります。

<出典URL>
渋谷区「ハッピーマザー出産助成金」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter