写真:PhotoAC
火災保険のうち洪水や河川の氾濫による損害を補償する水災補償について、保険料率の基準を定める損害保険料率算出機構が料率を変更することを発表しました。現在の料率は全国一律となっていますが、今後は地域ごとのリスクに応じた5区分へと分けられます。
水災料率区分は5区分へ変更 変更前と比べて約6%減少~約9%増加
水災料率は火災保険料の計算上、河川の氾濫や土砂災害などの水災リスクを保険料に織り込むためのもの。これまでは地域による差はありませんでしたが、改定後は洪水ハザードマップなどを参考に市区町村別に設定されます。区分は5区分で、リスク最小で最も保険料の安い地域の1等地から、リスク最大で最も保険料の高い地域の5等地までに分けられます。
料率の細分化により、保険料水準は1等地は平均約6%減少、5等地は平均約9%増加します。また、1等地と5等地の保険料率には、約1.2倍の差が出る想定です。
実際の火災保険料は同機構の料率をもとに、保険会社が設定します。
水災リスクの判定には洪水ハザードマップと水害統計などを活用
今回の水災料率の見直しは、国内での水災損害が増加傾向にあることや火災保険料が値上げ傾向にあることに応じて行われます。
水災リスクは、国土交通省のまとめた洪水ハザードマップや水害統計、地形データを参考としています。損害保険料率算出機構は、地域ごとの水災リスクの違いを踏まえて水災料率を見直すことで、保険料の公平化を図るとしています。
<出典URL>
損害保険料率算出機構「(別紙)水災料率の細分化について」