2022年度地震保険付帯率トップは宮城県の89.3% 関東エリアでは地震保険の補償内容理解や被災時の備えに課題

(写真:PhotoAC)

全国で地震保険の普及が進む中、付帯率や意識に地域差があることが、損害保険料率算出機構や損害保険協会の調査で相次いで明らかになりました。

地震保険付帯率の全国平均は69% 上位5県は80%超

損害保険料率算出機構が行った「2022年度地震保険付帯率」調査によると、2022年度の地震保険付帯率は全国平均で69.4%で、前年度比0.4ポイント増加しました。20年連続で増加傾向にあり、特に2022年度は過去最高値となりました。

都道府県別の地震保険付帯率を見ると、
1位:宮城(89.3%)
2位:高知(87.5%)
3位:熊本(85.9%)
4位:宮崎(84.3%)
5位:鹿児島(84.1%)
と、いずれも80%以上で平均を大幅に上回りました。

一方で関東エリアは地震保険の付帯率が低い傾向にあり、特に東京都は61.9%と全国ワースト3となっています。

東京はワースト3 関東エリアでは被災時の備えに課題が残る結果に

また、損害保険協会が実施した「地震保険に関する意識調査」によると、地震保険に加入していない人のうち、関東エリアの人は「地震保険の補償内容をよく理解していないから」を理由に挙げる割合が全国平均より多く(関東:39.2%、全国平均:27.0%)なっています。

地震に被災した時の被害をまかなう方法については、「預貯金で賄う」ことを考えている人が多い(関東:39.2%、全国平均:28.2%)ほか、「特に考えていない」人も4割を超えていることがわかりました。
関東エリアでは、今後の地震発生時の経済的備えについて課題が残る結果となっています。

地震保険では地震で被害を受けた家屋・家財への補償を受けられる

地震保険では、地震で被害を受けた家屋・家財への補償を受けられます。地震保険単独での契約はできず、火災保険とセットで加入するのが原則です。火災保険で設定した契約金額の30~50%の割合で補償が受けられます。

補償には家屋・家財それぞれで限度額が設定されており、家屋は5,000万円まで、家財は1,000万円までの補償になります。この範囲内で、全損・大半損・小半損・一部損の4段階で被害状況が評価され、保険金が支払われます。

なお、地震で発生した火災や津波による被害は原則として火災保険のみの補償対象とはならず、地震保険に加入することで補償対象となります。

<出典URL>
損害保険料算出機構「火災保険加入者の69.4%が地震保険に加入(2022年度地震保険付帯率)」
損害保険協会「-関東大震災から100年-「地震保険に関する意識調査」で明らかになった課題とは」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter