ガソリンの暫定税率が年末で廃止 軽油は来年4月に廃止へ

写真:PhotoAC

与野党6党は、ガソリンや軽油に課されている暫定税率を廃止する方針を決定しました。これにより、ガソリンは12月31日に、軽油は令和8年4月1日に廃止される見込みです。

事業者への補助金増額で、ガソリン価格引き下げへ

暫定税率の廃止に先駆けて、国はガソリン・軽油の事業者への補助金をともに、11月13日から段階的に増額しています。年内には以下のように補助金額が増額され、徐々にガソリン価格が下がると見込まれています。

11月13日~:15円
11月27日~:20円
12月11日~:25.1円(暫定税と同額であり、これ以降、年内に暫定税率は廃止される見込みです)

このため、暫定税率が廃止される年末に、一度にガソリン価格が大幅に下がるわけではありません。段階的に価格の引き下げを誘導することで、急激な買い控えや需要増によって流通に混乱が生じるのを防ぐ狙いです。

ガソリンや軽油の販売価格の約4割は税金

暫定税率はガソリン税の一部で、一時的に上乗せされていたものです。ガソリンと軽油には以下のように複数の税金が課せられています。

■ガソリンに含まれる税金の種類
・ガソリン税(ガソリン税の本則税率+暫定税率)
・石油石炭税
・消費税(8%)

■軽油に含まれる税金の種類
・軽油引取税(経由引取税の本則税率+暫定税率)
・石油石炭税
・消費税(8%)

その中でも、ガソリン税と軽油引取税には現在、本来の税額に暫定的な税額が上乗せされています。1リットルあたりの暫定税額は、ガソリンで25.1円、軽油で17.1円です。

他の税金も含めると、ガソリンや軽油の販売価格の約4割が税金となります。

暫定税率は昭和49年に導入されてから道路整備事業などに活用されていた

ガソリン税の暫定税率は、昭和49年に導入されてから現在に至るまで継続している税制度で、国や自治体の道路整備事業などに活用されてきました。
暫定税率が廃止された場合、全体で約1兆5千億円の減収が見込まれています。代わりとなる財源をどのように確保するかについては議論がまとまっておらず、今後も継続して検討される予定です。

<出典URL>
資源エネルギー庁「ガソリンの暫定税率(当分の間税率)の廃止でガソリン代はどうなるの?よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします!」
自由民主党「ガソリン減税年内実施へ 与野党6党が合意」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter

投稿者プロフィール

マネーステップオフィス編集部