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厚生労働省は、入院時に患者が負担する食事代と光熱費について、費用負担引き上げの検討を開始しました。食事代の引き上げが実現した場合、2024年から3年連続での引き上げとなります。
食費は1食あたり40円、光熱水費は1日あたり60円の引き上げで検討
引き上げが検討されているのは、病院での入院時に患者が自己負担する食費や光熱費の水準です。厚生労働省の協議会が提示した案では、食費は1食あたり40円、光熱水費は1日あたり60円引き上げる案が示されています。
ただし、低所得者では引き上げ額を抑えるか、負担を据え置く配慮措置が検討されています。現行制度でも、負担額は所得に応じた区分があり設けられています。
引き上げは、食材費や光熱・水道費の高騰に伴うものです。近年の物価高やエネルギー価格の上昇の影響で、これまでも入院時の食費や光熱水費は引き上げが相次いできました。
食費の自己負担額(1食あたり、65歳未満、一般所得者の場合)
~令和6年5月:460円
令和6年6月~:490円
令和7年4月~:510円
光熱水費(1日あたり、医療療養病床に入院している65歳以上、医療の必要性が低い場合)
~平成29年9月:320円
平成29年10月~:370円
食費は入院患者全員が負担、光熱水費は65歳以上の療養病床患者が負担対象
入院時の食費や光熱水費の負担は、患者の年齢や病床の種類に応じて生じます。
食費は入院をした患者全員が対象となるものです。
公的医療保険の適用対象であり、65歳未満の一般所得者の場合、現行では1食あたり総額690円のうち180円が保険負担、510円が自己負担となります。
入院時の光熱水費は、一般病床に入院する人などは入院料に含まれるものですが、長期の療養を目的とする療養病床に入院する65歳以上の患者の場合、「入院時生活療養費」として公的医療保険によって自己負担が抑えられています。一般所得者の場合、現行では1日あたり総額398円のうち、28円が保険負担、370円が自己負担となります。
<出典URL>
厚生労働省「入院時の食費・光熱水費について」
厚生労働省「平成29年10月から光熱水費の負担が変わります」



