厚労省 分娩費用の全国一律無償化の検討を開始 年々増加する妊婦負担が背景に

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厚生労働省は、出産費用を全国一律で無償化する方針で検討を進めています。出産費用については地域ごとの金額に差があり、現在も公的保険から給付がありますが、自己負担が発生するケースがあることなどが課題とされています。

出産育児一時金による現金給付形式から実際にかかった費用を払い戻す現物給付形式へ切り替え予定

出産時にかかる費用には、おもに分娩費用、分娩に伴う保険診療、そのほかお祝い膳やエステなどのアメニティ費用の、大きく3種類があります。

今回議論されているのは、このうち分娩対応部分の費用です。
現行の医療保険制度では、分娩費用は公的医療保険の対象とならず、全額が自己負担です。また、費用の額は各医療機関が定めています。

ただし、負担を抑えるために「出産育児一時金」の制度があり、公的医療保険の加入者であれば子供1人につき原則50万円が給付されています。

現在議論されている案では、この現金給付方式を変更し、実際に分娩でかかった費用を払い戻す現物給付の形式へ変更することが検討されています。
なお、分娩に伴う保険診療は現行通り現物給付とし、施設で提供されるお祝い膳やエステサービスなどでかかるアメニティ費用は、全額自己負担を継続する方針です。

平均出産費用は増加傾向 地域ごとの差は最大約24万円にのぼる

出産にかかる費用は年々増加傾向にあり、全施設の出産費用の平均額は、令和6年度には52万円となりました。
また、都道府県ごとの地域差もあり、最も高い東京都は64万8,309円、最も低い熊本県は40万4,411円で、約24万円の差が出ています。

こうした負担の増加を考慮して、令和5年に出産育児一時金が原則42万円から原則50万円へ13年ぶりに引き上げが実施されました。
しかし、出産費用の増額により、地域や病院によっては出産費用が現金給付を上回る状態は変わらず続いたため、現金給付から現物給付への切り替え案が俎上に上がりました。

<出典URL>
厚生労働省「医療保険制度における出産に対する支援の強化について」
厚生労働省「出産育児一時金等について」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter

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マネーステップオフィス編集部