マイナンバーカードでポイントがもらえる、自治体マイナポイント事業が全国17地域で開始 出産祝い金などをキャッシュレスで給付

写真:photoAC

マイナンバーカードを取得して、所定のキャッシュレスサービスと連携するとポイントがもらえる「自治体マイナポイント事業」が始まりました。

2021年4月に総務省が採択した事業で、17の自治体で今夏以降に実施されます。7月20日からは秋田県大仙市、8月16日からは京都府福知山市が申請の受け付けをすでに開始しています。

マイナンバーカードの取得と登録で電子マネーや商品券を受けとれる

自治体マイナポイントとは、マイナンバーカード持っている人が所定の要件を満たしたときに登録・申請をすると、地域で使える商品券や民間のキャッシュレス決済サービスで使えるポイントを受け取れる制度です。「マイキープラットフォーム」と呼ばれる、マイナンバーカードの運用システムを利用して行う事業で、各地でのマイナンバーカードの普及に向けて行われます。

申請にはマイナンバーカードが必要です。PCの専用ソフトかスマートフォンの専用アプリ「マイナポイント」アプリからマイナンバー情報を登録し、ポイントを受け取る場合には対象になるキャッシュレス決済サービスを選び、手続きを行います。自治体が申請を受理した後、電子マネーなどのキャッシュレス決済サービスのポイントや、地域商品券で給付を受けられます。

自治体マイナポイントを受け取る方法

給付の内容と金額は自治体によって異なりますが、大きく「ポイント申請型」と「イベント参加型」の2種類に分かれます。

ポイント申請型は、自治体からの給付をポイントで行うもので、結婚祝いや出産祝い、地域内への移住など、条件を満たした人が申請を行うと給付が受けられるものです。たとえば秋田県大仙市では、子どもの出産祝金として第1子には3万円、第2子以降には5万円の給付を受けられます。キャッシュレス決済サービスでのポイントで受け取ると、ポイント額が上乗せされます。

イベント参加型は、地域の医療機関での健康診断の受診、自治体の健康相談の利用、地域の体操教室やスポーツ大会などのイベントへ参加すると給付が受けられます。たとえば京都府福知山市では、健康関連のイベントへの参加1回につき、50円相当のポイントを受け取れます。

自治体は当事業の実施によって、市民の生活の質(QOL)向上や若者世代の自治体イベント参加を推進したい狙いがあるようです。

2022年度以降には全国の自治体への事業展開も

自治体マイナポイント事業では、オンラインで給付申請から受付の手続きまでを一貫して行います。そのため、本人確認や申請手続きが簡便にでき、迅速に給付を受け取れると期待されています。

今回は成果を図る実証事業として、2021年末までなどの期間限定で、公募により採択された自治体に限定して実施される予定です。今回のモデル事業の成果を踏まえて、2022年度には全国の自治体での活用可能なシステム構築を目指しているとのことです。その後は全国でも自治体マイナポイント制度が導入されると見込まれます。

マイナンバー制度とは

マイナンバー制度とは、国民の個人情報を管理するために、日本国民1人1つの個人番号(マイナンバー)を割り振る制度です。個人番号を割り振ることで、複数の機関が個別に管理している個人情報が、特定の同一人のものであるとの確認が容易となり、行政関連の手続きも簡便になりました。2015年10月に、個人番号の指定と各個人への通知が行われ、運用が開始。ICチップの入った「マイナンバーカード」は確定申告の電子申告など、個人認証の必要な行政手続きにも利用できます。コロナ禍では特別定額給付金のオンライン申請にも活用されました。

<参考URL>
総務省「電子自治体の推進」
総務省「自治体マイナポイント事業について」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter