写真:PhotoAC
大手電力7社の電気代が2023年6月から値上げされました。ウクライナ侵攻による燃料価格高騰や円安により原材料価格が上がっているためで、従量電灯などの規制料金が引き上げられました。
値上げ幅は平均14%~42% 激変緩和措置により値引きあり
電気代の値上げは6月1日以降に使用する電気に適用されます。大手電力会社7社が世界的な燃料価格高騰などを理由に経済産業省へ申請していた値上げが認可されました。値上げ幅は電力会社により14%~42%となっています。
東京電力の平均モデル世帯(従量電灯B・30A、使用電力量260kWh/月)での料金を例に見ると、2023年5月分の電気料金は8,629円でしたが、2023年6月分は9,510円となります。現在、国からは家計負担を軽減するために激変緩和措置が適用されおり、モデル世帯の場合にはこの料金から1,820円の値引きが行われます。
また、一部の電力会社では従量電灯などのプランで支払い方法を口座振替にしていると毎月55円割引される制度がありますが、廃止の動きもあります。東京電力の場合、2024年10月分(2024年9月検針日以降の使用分)から廃止されます。
7月以降は低圧自由料金も値上げの対象に
電気料金には国の規制料金のほか、電力自由化により各電力会社が設ける自由料金があります。自由料金は今回の値上げの対象外ですが、7月以降は東京電力など自由電力を値上げする電力会社が出てくる見込みです。自由料金には国の規制料金と違い料金に上限がないため、燃料費変動の影響を受けやすく、燃料費が高騰した場合には規制料金よりも値上げ幅が大きくなる可能性があります。
<出典URL>
経済産業省「電気料金の改定について(2023年6月実施)」
東京電力エナジーパートナー「2023年6月分電気料金の燃料費調整等について」
東京電力エナジーパートナー「2023年7月分電気料金の燃料費調整等について」
東京電力エナジーパートナー「低圧の料金メニューの見直しについて」