「生活設計と年金に関する世論調査」公表 老後の生活は公的年金と個人年金などでまかなう人が53%に

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2024年3月15日、内閣府は「生活設計と年金に関する世論調査」の結果を公表しました。この調査では、就労についての希望や公的年金制度への認識について、全国の18歳以上を対象として調査しています。

老後の生活は公的年金と個人年金などの組み合わせを考えている人が最多

老後の生活設計の方法について聞いた質問では、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」が53.8%で最も多くなりました。

年代による生活設計の違いも見られ、40歳以上では「全面的に公的年金に頼る」という回答が多い反面、18歳~29歳や30歳~39歳の若い世代では「公的年金にはなるべく頼らず、できるだけ個人年金や貯蓄などを中心に考える」という人がいずれの世代でも約25%を占めました。

預貯金で準備する・した人が6割超

公的年金以外による資産の準備方法については、「預貯金」が最多で67.6%、次いで「退職金や企業年金」の32.9%でした。

世代別に見ると、18~29歳は非課税制度であるNISAを選択している人が37.6%おり、退職金や企業年金と同水準となっています。
30代では証券投資(20.1%)や個人型確定拠出年金(iDeCo)(19.7%)も多くなっています。

また、年代が上がるごとに「老後に向けた資産形成はしない、またはしなかった」という割合が目立ちます。70歳以上では19.7%と3番目に多い回答でした。

加入者の多い私的年金は「厚生年金基金」 iDeCoは最高で10%台

私的年金については、加入をしていないと答えた人が最多を占めていました。加入者が多いのは厚生年金基金(35.7%)でした。

加入理由について多いのは「勤めている会社でDB・企業型DC・厚生年金基金を実施していたから」(57.5%)で、企業側での制度整備が個人の老後の私的年金準備を促進する要因となっていることがうかがえます。

なお、2022年に加入要件の拡大で話題となったiDeCoについては、40歳代の加入率は15.3%でしたが、60歳代では5.4%にとどまりました。

<出典URL>
内閣府「生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter