10月からの最低賃金 平均約52円の引上げ

(写真:PhotoAC)

2024年度10月以降に適用される最低賃金の改定額が公表されました。今年は全国平均約52円、約5.5%の引き上げが行われます。

最高額は東京1,163円 新たに1道7県が1,000円超に

今年度の最低賃金は東京都が最高額の1時間当たり1,163円で、4年連続の賃金上昇となりました。

また、北海道(1,010円)、茨城(1,005円)、栃木(1,004円)、岐阜(1,001円)、静岡(1,034円)、三重(1,023円)、滋賀(1,017円)、広島(1,020円)の1道7県では、新たに最低賃金額が1,000円を超えました。

最低賃金額は、都道府県に設置されている地方最低賃金審議会が調査・審議を行い、設定しています。改定の実施時期も都道府県ごとに異なり、早い地域で10月1日から適用されます。
(なお、執筆時(2024年9月26日)現在、岩手県と徳島県の最低賃金額は公表されていません)

最低賃金には地域別最低賃金と特別最低賃金の2種類がある

最低賃金とは、国が定める賃金の最低限度です。労働者を雇用する場合は、労働者の同意が得られていたとしてもこの金額を下回ることはできません。

最低賃金には、職種に関係なく地域ごとに定められている地域別最低賃金と、特定の産業に適用される特別最低賃金の2種類があります。今回の改定では、この地域別最低賃金が改定されました。

最低賃金改定の対象となるのは都道府県内で働くすべての人です。

派遣労働の場合は、派遣元の会社ではなく、派遣先の就労場所での最低賃金が適用されます。例えば埼玉県の会社から東京都の会社に派遣された場合、東京都の最低賃金である1,163円で派遣労働者への賃金を計算することが義務付けられています。

<出典URL>
厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
厚生労働省「最低賃金制度の概要」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter