令和3年分の確定申告e-Taxの変更点 マイナンバーと連携して自動入力が可能に

オンラインから確定申告を行える、e-Tax。令和3年分から、マイナンバーカードとスマートフォンを活用した自動入力の範囲拡大など、利便性が向上します。具体的にどのような情報が自動入力されるようになるのか、その概要を解説します。

写真:PhotoAC

令和3年分確定申告でのe-Tax変更点

2022年2月から受付が開始される、令和3年分確定申告では、大きく2つの変更点があります。ふるさと納税や保険、住宅ローンなどに関連する税の控除を自動入力できる範囲の拡大と、スマートフォンのカメラから源泉徴収票の自動入力が可能になることです。これらの活用により、確定申告を行う際の操作が、より簡便になり、入力ミスの防止も期待できます。

変更点1.マイナンバーカードを利用してふるさと納税などの金額を自動入力できる

マイナンバーカードを持っている人は、カード情報を管理する「マイナポータル」サイトを経由して様々な手続きやデータ連携を行えます。その中の一つに、e-Taxでの控除関連項目の自動入力があります。

これまでの確定申告では、住宅ローン、株式等の取引に使った特定口座、生命保険料に関する税の控除に必要な証明書情報を、マイナポータルからe-Taxに連携できました。 これに加えて令和3年分からは、ふるさと納税の寄付金控除、地震保険料控除、医療費控除についても、自動入力の対象となります。

なお、医療費控除は令和3年9月分~12月分の保険診療についての情報に限られ、令和4年分からは年間の保険診療情報すべてが連携対象になります。 薬局での医薬品購入などの情報は対象にはなりません。

自動入力を行うには、あらかじめマイナンバーカードの取得と、マイナポータルサイトおよび各種事業者側での連携設定が必要 です。

変更点2.スマホで自動入力できる範囲が拡大する

給与所得がある人が確定申告をする場合、これまでは源泉徴収票に記載されている内容を手動で入力する必要がありました。令和3年分からは、スマートフォンのカメラで源泉徴収票を撮影することで、記載内容を申告書へ自動入力できるようになります。

また、これまではマイナンバーカードを使ってe-Taxで確定申告をする際には、マイナンバーカードを読み取るためのカードリーダーと、パソコンでの事前設定が必要でした。これに代えて、スマートフォンでQRコードを読み取ることで、事前設定なしでe-Tax送信が可能になります。

このほかに、株式取引で生じた譲渡所得や配当所得などは新たにスマートフォンの専用画面から申告情報を入力できるようになります。この場合も、マイナポータル連携の設定が必要です。

e-Taxとは

e-Taxとは、所得税や贈与税などの申告や届出、納税手続きをインターネット経由で行うシステムのことです。インターネット接続のできる環境があれば場所を問わず、国税庁のホームページかe-Tax対応の会計ソフトなどを利用して手続きを行えます。e-Taxのメリットとして、生命保険や地震保険、住宅ローン、医療費などの控除を受ける際に必要な証明書の添付が不要になる 、おもに個人事業主が適用する青色申告特別控除額が55万円から65万円へ10万円上乗せされるなどがあります。

<出典URL>
国税庁「国税庁ホームページでの所得税等の申告書作成・e-Taxがますます便利に!」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter