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2月27日、厚生労働省は令和5年度の介護保険料見込み額を公表しました。今回の改定により、4月以降の40歳~64歳の現役世代1人あたりの保険料月額が過去最高額となる見込みです。
現役世代の介護保険料は前年度より111円増 5年連続の値上がりに
厚生労働省の算定によると、40歳~64歳の現役世代の令和5年度保険料は1人あたり6,216円で、前年度比111円の増額となる見込みです。保険料は平成30年度から5年連続で引き上げられており、制度が開始した平成12年度からは4,000円以上増額し、過去最高額になります。
65歳以上の高齢者世代の保険料は、今年度の変更はなく、1人あたりの平均額は前年度と同じ月額6,014円です。しかし高齢化の進行により介護費用の総額が増加しており、厚生労働省の推計では将来的に介護保険料が月額9,000円程度に達する可能性もあるといいます。
現役世代は介護保険全体の27%を負担 保険料は事業者と折半
介護保険では、国と自治体・高齢者世代・現役世代がそれぞれ介護保険給付に用いられる納付金を負担するしくみになっています。このうち現役世代の負担割合は令和5年度現在で全体の27%、高齢者世代では23%です。
介護保険料の納付は、高齢者は全額自己負担で、年金から天引きされます。現役世代の保険料は、加入している健康保険制度が定める料率で、報酬額に応じて保険料額が決まります。また所属する企業などと折半で負担し、給与からの天引きで納付します。そのため、上記の1人あたりの介護保険料額と実際の保険料額は異なる場合があります。
<出典URL>
厚生労働省「第106回社会保障審議会介護保険部会」
厚生労働省「令和5年度 介護納付金の算定について(報告)」
厚生労働省「介護保険制度の見直しに関する意見」