雇用保険の教育訓練給付金 改正で拡充へ 200講座以上が新たに対象に

写真:PhotoAC

2024年10月1日から、雇用保険法の改正により教育訓練給付金の拡充が行われます。教育訓練給付金とは、就労する人たちのキャリア形成を支援するための制度で、厚生労働大臣指定の講座を受講・修了した場合に、その受講にかかった費用の一部が給付されます。対象となるのは、3種類の教育訓練のうち「専門実践」と「特別一般」に区分される講座です。

10月より講座数は200以上増加 オンライン・夜間・土日の講座が充実

10月1日からは、専門実践・特定一般教育訓練の指定講座がそれぞれ新規追加される予定です。

専門実践教育訓練は、中長期的なキャリア形成に有効な資格が対象となっています。
業務独占資格や専門学校で受講できる専門課程などが該当し、10月からの新規講座は看護師などの資格取得を目標とする養成課程など129講座、全3,011講座が指定されます。

特定一般教育訓練は、再就職などのためなど早期キャリア形成のための資格が対象になります。
業務独占資格・必置資格や一定レベル以上の情報通信技術に関する資格が該当し、新規追加対象となるのは介護支援専門員実務研修、大型自動車第一種免許など116講座、全801講座が指定されます。

教育訓練給付金の給付率は最大10%引き上げ

教育訓練を受講・修了した際は教育訓練給付金が支給されます。受講にかかった費用について、教育訓練の種類に応じた給付率が設定されています。

今回の雇用保険法の改正により、専門実践教育訓練受講後に賃金が上昇した場合と、特定一般教育訓練受講後に資格を取得・再就職などをした場合には、給付率が10%追加されることとなりました。これにより、専門実践教育訓練の給付率は最大80%、特定一般教育訓練の給付率は最大50%に上昇します。

<出典URL>
厚生労働省「教育訓練給付制度」
厚生労働省「専門実践教育訓練の指定講座を公表しました(令和6年10月1日付け指定)」
厚生労働省「特定一般教育訓練の指定講座を公表しました(令和6年10月1日付け指定)」
厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter