【健康コラム】お酒はどのくらいが適量?

健康管理をするうえで、食生活と同じく重要なのがお酒との付き合い方です。適度な飲酒は身体に良い効果をもたらす一面がありますが、飲みすぎは重大な病気を招く要因にもなります。

お酒は身体にとってプラスの一面も

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お酒が好きな方にとって、晩酌は日々の楽しみのひとつかと思います。「酒は百薬の長」という言葉もあるように、適度のお酒にはリラックスできたり、コミュニケーションの場となったり、身体にとってプラスの一面ももつことも言われています。国内の男性を対象とした研究では、平均して2日に日本酒に換算して1合(純アルコールで約20g)程度を飲酒する人が、死亡率が最も低いとする結果が報告されています。※1

※1Tsugane S, Fahey MT, Sasaki S, et al. Alcohol consumption and all-cause and cancer mortality among middle-aged Japanese men: seven year follow-up of the JPHC study cohort I. Am J Epidemiol 150: 1201-7, 1999

お酒と健康との関係

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適度な飲酒は身体にとってよい働きをするものの、飲みすぎは禁物です。多量の飲酒を続けると、お酒に含まれるアルコールを分解・代謝する肝臓に負担がかかり、アルコール性肝炎などの肝障害を引き起こすことがあり、さらには肝硬変や肝がんといった重篤な病気を招くことになります。また、中性脂肪の増加、高血圧、糖尿病、膵炎などの生活習慣病の原因にもなります。欧米人を対象とした研究では、1日当たりアルコール量が増加するに従って死亡率が上昇することが示されています。※2

※2Holman CDJ, English DR, Milne E, et al. Meta-analysis of alcohol and all-cause mortality: a validation of NHMRC recommendations. MJA 164: 141-145, 1996

お酒の適量を知ろう

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厚生労働省では、日本人の「節度ある適度な飲酒」の目安として、1日平均純アルコールで約20g程度を勧めています。

アルコール量は、お酒の種類によって異なりますので下記の表を参考にしてみてください。

お酒の種類 アルコール度数 純アルコール量 適量の目安
ビール 中瓶1本500ml 5% 20g 中瓶1本
清酒 1合180ml 15% 22g 1合
ウイスキー・ブランデー ダブル60ml 43% 20g ダブル1杯
焼酎(35度) 1合180ml 35% 50g 水割り2杯(45ml+水)
ワイン 1杯120ml 12% 12g グラス2杯

参考:厚生労働省 健康日本21(アルコール)

お酒との付き合い方

e7d4f74b1c3ede4dadebab640de0653c_sお酒と上手に付き合うには、飲み方の工夫も大切です。空腹のときにお酒を飲むと、胃の粘膜が荒れる、酔いが早く回りやすいなど身体に負担がかかります。以下のポイントを意識してみましょう。

■お酒と一緒に水も飲む
ペースを調整する他、アルコール濃度を薄めることで肝臓への負担を軽減します。

■適度におつまみも食べる
夜遅くのおつまみは太る原因にもなるので、カロリーを抑えつつ、栄養のあるおつまみをえらびたいですね。下記はお酒を飲む際に是非取り入れたい食材とその働きです。

栄養素 働き 食材
たんぱく質 胃腸の粘膜を保護し、肝臓の働きを助ける 肉(鶏、豚、牛)、魚、大豆・大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)など
ビタミンC アルコール代謝を助ける パプリカ、ブロッコリー、かぶ、レモンなど
ビタミンB1 アルコール代謝を助ける 豚肉、レバー、大豆・大豆製品、魚、うなぎ、胚芽米など
食物繊維 アルコールの吸収を抑える 芋類、こんにゃく、きのこ類、海藻類など

■週に1日など、お酒を飲まない「休肝日」を設ける
会食が続く週は特に意識して、飲酒で疲れた肝臓を休ませるようにしましょう。自分に合ったお酒の量で、食事と一緒に楽しんでいきたいですね。

執筆者プロフィール

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朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。
同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。