「適正体重を守るようにしましょう」というアドバイスはよく耳にしますよね。そもそも適正体重はどのように把握すればよいか、なぜ大事なのか、整理していきましょう。
適正体重を守った方がよい理由
肥満に伴って高血圧、高血糖、脂質異常症など、様々な関連疾患が生じます。さらにはメタボリックシンドローム、糖尿病、動脈硬化などに発展し、心筋梗塞や狭心症といった冠動脈心疾患を引き起こす原因になります。
その他にも体重を支える腰や膝にも負担がかかったり、睡眠時無呼吸症候群を引き起こしたりと様々な疾患の原因にもなります。肥満は数多くの疾患と関連していると同時に、肥満を改善、予防することで病気の予防にも繋がるということです。
BMIと適正体重の求め方
肥満の基準値としては、日本肥満学会ではBMI(Body Mass Index:体格指数)が用いられています*1。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
BMI(数値の範囲) | (肥満度)判定 |
< 18.5 | 低体重 |
18.5 ≤ BMI < 25.0 | 普通体重 |
25.0 ≤ BMI < 30.0 | 肥満(1度) |
30.0 ≤ BMI < 35.0 | 肥満(2度) |
35.0 ≤ BMI < 40.0 | 肥満(3度) |
40.0 ≤ BMI | 肥満(4度) |
疾病を予防するのに最も適切なBMIが「22」であることから、適正体重は下記のように求められます*1。
標準体重 = 22 × 身長(m) × 身長(m)
また、日本人の食事摂取基準(2015年版)では、18歳以上の年齢を3区分にして、下記のように目標とするBMIを定めています*2。これは疫学研究によって総死亡率がもっとも低かったBMIをもとに出された目標値です。
年齢(歳) | 目標とするBMI |
18-49 | 18.5-24.9 |
50-69 | 20.0-24.9 |
70以上 | 21.5-24.9 |
やせていても内臓脂肪が多いケースも多く、注意が必要ですが、まずはわかりやすい基準として、適正体重を維持できるよう心掛けることは健康維持増進には是非取り入れていきたいですね。
【参考文献】
*1 日本肥満学会 肥満症診療ガイドライン2016
*2厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)
執筆者プロフィール
朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。
投稿者プロフィール
- お金と健康に関する記事・コンテンツ制作実績1万本以上。ファイナンシャル・プランナー(FP)を中心とした専門家による、家計、ライフプラン、保険など、幅広い生活とお金のコンテンツ制作を行っています。