令和7年度の最低賃金改定の目安が公表 過去最高の6.0%引き上げを提言

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厚生労働省は、中央最低賃金審議会で取りまとめられた2025年度の地域別最低賃金額改定の目安を公表しました。前年度に比べて、全国平均63円(引き上げ率6.0%)の引き上げが適当であるとされています。

最低賃金額目安は地域の経済ランクに合わせて設定される

地域別最低賃金額改定の目安について議論を行う中央最低賃金審議会(以下、審議会)では、各都道府県を経済実態に合わせてA・B・Cの3つのランクに分類し、そのランクごとの目安額を決定しています。
各ランクごとの都道府県と目安額は以下の通りです。

ランクA:引き上げ目安額…63円
該当地域…埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
ランクB: 引き上げ目安額…63円
該当地域…北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
ランクC:引き上げ目安額…64円
該当地域…青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

今回審議会により提示された金額は、最低賃金額の目安制度が始まって以来、最も大きな引き上げ額となっています。

最終的な最低賃金改定の実施と金額は各自治体の判断にゆだねられる

上記の金額は、労働者側と使用者側の意見や社会の動向を踏まえ、地域間格差を縮小することを目的として定められたものですが、あくまで目安であり、法的な拘束力はありません。
そのため、最終的な判断はこれらの参考意見をもとに、各自治体の労働局が行います。例年10月に実施される最低賃金額の引き上げも、必ずしもこの目安通りの金額で行われるとは限りません。

また、今回は目安額の引き上げ幅が大きいため、審議会は政府に対し、中小企業や小規模事業者が賃上げを実施しやすくなるよう、環境整備などの取り組みを継続的に行うことを強く要望しています。

<出典URL>
厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について」

(文:年永亜美/WEBサイトTwitter