韓国で、少子化対策として「シングル税」が導入されると報道され、インターネット上で批判が殺到する騒ぎがありました。韓国では日本以上に少子化問題が深刻で、その対策について関係者が発言したのがきっかけですが、関係省庁はこれを否定しています。
子どもを産まない独身にはペナルティを課すべき?
サーチナニュースによると、韓国の保険福祉省(日本の厚生労働省にあたる省)の関係者が少子化対策について「政府の支援だけでは低出産の克服には限界がある」として「(シングル税のような)“ペナルティ政策”に進むしかないだろう」と話したと報道されました。また、「数年後には『シングル税』をかけるかもしれない」とも発言したといわれています。
この報道に対して、インターネット上では批判が殺到しました。騒動を受けて、同省は12日に公式ツイッターにて「結婚、出産、養育に有利な条件を作るためのさまざまな課税を検討しているが、シングル税のようなペナルティを賦課するような方案は全く検討していない」、「シングル税は低出産問題の深刻さを表現した言葉が間違って伝わった」と、報道を否定しました。シングル税導入は噂にとどまるようです。
日本以上に少子化が深刻な韓国
韓国では日本よりも少子化問題が深刻です。1人の女性が生涯に生む子どもの人数を示す「合計特殊出生率」(2013年)は、韓国は1.187で経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかで最下位です。ほとんどの女性が、生涯で1人しか子供を産まないという水準です。同じく少子化にあえぐ日本でも1.43ですから、いかに韓国の状況が深刻かがわかります。
日本でも、安倍政権が女性の社会進出に力を入れながら、子どもを産みやすい社会をつくろうとしていますが、現実には保育園の数が少なかったり、妊娠した女性が働きにくい会社があったりと、問題は山積みです。そのうち「シングル税」の噂が出てきてもおかしくないでしょう。
年内にも行われる見込みの解散総選挙では、政権への評価が改めて問われることになりますが、少子化対策の道が途切れてしまわない結果になってほしいものです。
韓国の「シングル税導入」騒動 政府が撤回するも ネットユーザーらの怒り収まらず=韓国メディア
韓国保険福祉省の関係者が単身者に対して税金をかけるとする“シングル税”について発言したことから、同国のインターネット上を中心に批判が殺到。同省が税導入は検討していないと、釈明する出来事があった。
複数の韓国メディアによると、韓国経済メディア「毎日経済」は11日、同省の関係者が自国の低出産問題を解消するための方法として「数年後には『シングル税』をかけるかもしれない」と1人世帯への課税導入について言及したと伝えた。
記事によると、関係者は「政府の支援だけでは低出産の克服には限界がある」とし、「(シングル税のような)“ペナルティ政策”に進むしかないだろう」と話したという。
(2014年11月14日 サーチナニュース)
photo credit: guilherme cecílio via photopin cc
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