30日にローソンが高級スーパーの成城石井を買収すると発表しました。コンビニ大手としてのブランド力を誇るローソンが、近い将来、肉や魚、野菜やワインを扱うスーパーに変身するかもしれません。
いま大人気の高級スーパー「成城石井」とは?
「成城石井」は、その名の通り東京都の成城が第1号のスーパーマーケット。首都圏や関西、東海におよそ120店舗を展開しています。肉や魚、野菜などの生鮮食品のほか、ワインやチーズなどの輸入品や原料にこだわった総菜なども取り扱っているのがウリ。その価格はスーパーの中では比較的高めながら、数々のヒット商品を連発しています。プレミアムチーズケーキは、メディアでも取り上げられ、売り切れが続出するほどの人気ぶりです。
消費税アップの影響もあって、他の小売業が苦戦する中、成城石井の売上高は今年8月までの1年間で前年比10%増の601億円、営業利益は46%増の48億円でした。いま、もっとも急成長しているスーパーです。
苦戦中のローソンはスーパーに活路を求める
一方のローソンは、今年4月以降、業績の伸びが鈍くなっています。いま、コンビニは日本全国で5万店を超え、もはや飽和状態といわれています。12,000店を出店しているローソンも苦戦を強いられていることから、新しくスーパー事業に乗り出すためにとった方法の一つが、成城石井の買収でした。また、買収をすれば、スーパーとコンビニで食品の仕入れや運送などを共同で行うことができるので、調達コストが下がり、収益力のアップも狙えます。
買収されても、「成城石井」の看板はそのまま残ります。逆に、ローソンになる予定だったところが成城石井になることがありそうです。ローソンがコンビニの出店用に持っている土地に、成城石井が入ることも検討するようです。高級スーパーが、日本全国に広がっていくかもしれません。
成城石井買収、ローソンが正式発表 総額550億円強
ローソンは30日、高級スーパーの成城石井(横浜市)を買収すると正式発表した。成城石井を傘下に持つ三菱商事系の投資ファンド、丸の内キャピタル(東京・千代田)から全株式を10月31日付で譲り受けることで合意した。株式取得額は363億円で、有利子負債を含めた総額は550億円強となる。
買収後も「成城石井」の店名は残す。役員は派遣せず、現在の経営体制を維持する。コンビニで培った出店や物流、商品管理などの運営ノウハウを成城石井に提供し、出店スピードを上げるとともに収益力を高める。
30日午前の東京株式市場では日経平均株価が反落する中、ローソン株は一時前日比1%高の7680円まで上昇した。「好調な成城石井の連結が業績拡大につながるほか、ローソン全体の商品力やブランド力が向上する可能性もある」(ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長)との声が出ている。
ローソンは今後、健康志向の商品を取り扱う「ナチュラルローソン」で、成城石井のプライベートブランド(PB=自主企画)商品の取扱数を増やすことも検討する。
成城石井は首都圏と中部、近畿の都市部に約120店を展開している。今年8月までの1年間の売上高は前年比10%増の601億円、営業利益は46%増の48億円だった。小売業界が消費低迷に苦しむなか、都市部の富裕層の需要を取り込み、好業績が続いている。
(2014/9/30 日本経済新聞)
参照先:ローソンプレスリリース
投稿者プロフィール
- お金と健康に関する記事・コンテンツ制作実績1万本以上。ファイナンシャル・プランナー(FP)を中心とした専門家による、家計、ライフプラン、保険など、幅広い生活とお金のコンテンツ制作を行っています。