近年国内のスーパーでもよくみかけるようになったアサイ―、キヌア、チアシードといった「スーパーフード」。今回はスーパーフードの栄養や日々の食事への取り入れ方について考えていきましょう。
スーパーフードって何?
スーパーフードの言葉は1915年頃からアメリカを中心に使われてきましたが※1、近年特に海外のセレブやモデルの間で流行っていることから国内でも注目されるようになりました。オックスフォード辞典ではスーパーフードを” A nutrient-rich food considered to be especially beneficial for health and well-being.”としていますが※2、実は科学的根拠に基づいた定義はありません。
つまり栄養価が高く、特に健康の維持増進に役立つ食品であればスーパーフードといえるので、それぞれの食品がどのような栄養があるかを認識し、自身の日々の食事に取り入れるべきか判断することが大切となります。
※1 The Gleaner (1915). Kingston, Jamaica, 24 June 18/2.
※2 Oxford English Dictionary www.oxforddictionaries.com/.
注目されているスーパーフードと栄養価
注目されているスーパーフードの働きと食べ方をご紹介します。
■チアシード(種子)
【特徴】食物繊維が豊富で、脂質の60%はオメガ3(α-リノレン酸)、20%はオメガ6(リノール酸)からなる
【働き】食物繊維の補給、血中中性脂肪低下、高血圧予防、血中コレステロール低下
【食べ方】ヨーグルト、スムージー、スープ、ドリンクに混ぜる
■アサイ―(果実)
【特徴】ポリフェノール、カルシウム、食物繊維、鉄が豊富
【働き】食物繊維の補給、貧血予防、抗酸化作用
【食べ方】スムージーやドリンクにする、デザートの材料に加える(ピューレ状で販売)
■キヌア(穀物)
【特徴】良質なたんぱく質、食物繊維、ビタミンB2、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、鉄が豊富
【働き】食物繊維・ビタミン・ミネラルの補給、貧血予防、抗酸化作用
【食べ方】サラダ、ピラフ、リゾット、デザートの材料に加える
■ヘンプシード(種子)
【特徴】良質なタンパク質、食物繊維、マグネシウム、鉄、亜鉛が豊富、オメガ6とオメガ3の必須脂肪酸をバランスよく含む
【働き】食物繊維・ミネラルの補給、貧血予防、血中中性脂肪低下、血中コレステロール低下、抗炎症作用
【食べ方】ヨーグルト、スムージー、スープ、ドリンクに混ぜる(オイル状、パウダー状、粒状などの状態で販売)
■亜麻仁油(油)
【特徴】オメガ3(α-リノレン酸)が豊富
【働き】血中中性脂肪低下、高血圧予防
【食べ方】ドレッシング、スムージー、スープ、ドリンクに混ぜる
*熱に弱いので加熱しないで使用する
■ココナッツオイル(油)
【特徴】52~85%は中鎖脂肪酸から成り、コレステロールを含まない
【働き】分解が早く、短時間でエネルギーになる
【食べ方】コーヒーにたらす、パンに塗る、炒め物、揚げ物、煮物、お菓子
■カカオ(種子)
【特徴】ポリフェノール、食物繊維、テオブロミン、ミネラルが含まれる
【働き】抗酸化作用、食物繊維の補給、自律神経の調節
【食べ方】スムージーに混ぜる、デザートの材料に加える(パウダー状で販売)
■スピルリナ(藻)
【特徴】たんぱく質、ビタミンB群、ビタミンE、フェニルアラニン、鉄が豊富
【働き】食物繊維・ビタミンの補給、抗酸化作用、貧血予防
【食べ方】ドレッシング、スムージー、スープ、ドリンクに混ぜる
■クコの実(果実)
【特徴】カロテノイド、ビタミンB1、B2、ミネラル、オメガ3(α-リノレン酸)が豊富
【働き】抗酸化作用、ビタミン・ミネラルの補給、血中中性脂肪低下、高血圧予防
【食べ方】ヨーグルトやスムージーに混ぜる、サラダの材料に加える
■ブルーベリー(果実)
【特徴】アントシアニン、フラボノイド、食物繊維、ビタミンC、ビタミンEを含む
【働き】血糖上昇抑制、抗酸化作用、食物繊維の補給
【食べ方】そのまま食べる、スムージーにする
参考:国民健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
*各食品に関する働きに関しては、ヒトでの有効性はデータとして出ていないため、今後さらなる研究は必要とされています。
基本は日々の食事バランス
それぞれのスーパーフードは栄養価が高いですが、スーパーフードを多く摂ったからといって栄養バランスが整った食事になる訳ではありません。あくまでもきちんと食事を摂った上で、忙しい毎日の中で不足しがちな栄養素を補うことが目的となります。上記のリストを参考に、日々のドリンクや料理にプラスして、活用してみてはいかがでしょうか。
また、近年では日本人が昔から日々食べている納豆や枝豆、抹茶、みそ、しょうがなどもスーパーフードとして注目されています。身近にある栄養価の高い食材も上手に取り入れていきたいですね。
執筆者プロフィール
朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。
同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。
現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。
投稿者プロフィール
- お金と健康に関する記事・コンテンツ制作実績1万本以上。ファイナンシャル・プランナー(FP)を中心とした専門家による、家計、ライフプラン、保険など、幅広い生活とお金のコンテンツ制作を行っています。