【健康コラム】なぜ減塩は健康に良いの?

Last Updated on 2018/02/28 by マネーステップオフィス編集部

塩分の摂りすぎは良くない、ということは広く知られていますが、実際に日ごろどれくらいの塩分を摂っているかはご存知でしょうか。そもそも、なぜ塩分を多く摂りすぎると身体に良くないのでしょうか。

なぜ塩分の摂りすぎは身体に良くないの?

わたしたちが食事から摂る塩分として最もなじみが深いのが「食塩」です。食塩は、ナトリウムと塩素から成ります。このうちナトリウムは、血液や細胞の中で体内の水分量を調節したり、神経や筋肉を正常に動かしたりする働きを担っています。

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塩分を過剰に摂取すると、血液中のナトリウムの濃度が高くなるため、これを薄めるために身体が体内の水分を増やそうとします。このときに血液量が増え、血管や心臓に負担がかかって血圧が上がるのです。

この血圧が高い状態が続くと高血圧となり、血管や心臓に負担がかかると動脈硬化や心臓肥大が進み、その結果、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤など多くの循環器病のリスクが高まるのです。

塩分の目安と現状

これらの病気を防ぐ上で、減塩はとても重要です。特に高血圧への効果については、高血圧の人が1日1g食塩の摂取量を減らすごとに、収縮期血圧は平均約1mmHg、拡張期血圧は平均約0.5mmHg下がるとの報告もあります※1。

食塩相当量の目標量(18歳以上)】

男性:8.0g/日未満
女性:7.0g/日未満

世界的に見るとこの基準は緩やかで、世界保健機関(WHO)は2025年までに、世界の人の食塩摂取量を1日5g未満にすることを提唱しています。

この理由には、諸外国に比べて味噌やしょうゆなど塩分の高い調味料を使う日本人の食塩摂取量が高いことにあります。アメリカ人の平均ナトリウム摂取量が3,400mg(食塩約8.6g)であるのに対して(NHANES2011-2012)、厚生労働省の平成26年度国民栄養・健康調査によると、日本人の1日平均摂取量は男性10.9g、女性9.2gです。

塩分を摂りすぎない食生活のためには、家庭での調味料の使い方を工夫し、加工食品や外食を食べるときの注意が大切です。まずは、調味料や食事の中に、どれくらいの塩分が含まれているのかを知り、ご自身が1日でおおよそどれくらいの量の塩分を摂取しているかを確認してみましょう。

減塩のためには外食・加工食品に注意を

日本人の食塩摂取量は、家庭での調味料よりも、加工食品や外食によるほうが多くなっています。ですから、外食の際にはひと工夫をして食塩を摂りすぎないように心がけてみてください。

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特にラーメン、そば、うどんなど麺類は、スープはもちろん、麺自体にも塩分が含まれています。汁を半分残すだけでも、塩分を2~3gカットできます。外食の際には、下記の食塩早見表を参考に「しょうゆやソースはひとかけにする」、「外食の際は味噌汁でなくお吸い物やスープにする」などで、塩分の摂りすぎを防ぎましょう。

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また、スーパーなどで売っているお総菜やお弁当は、保存性を良くするために塩分が多めに作られています。干物や漬物も、同じ理由で塩分が高い食品です。また、ハム、ソーセージ、サラミ、チーズなどの加工食品、かまぼこなどの練り物にも多くの食塩が含まれています。選ぶ際には加工品が重ならないように心がけることも大切です。

食塩早見表※2

■調味料

食品 食塩相当量(g)
しょうゆ 0.9
みそ 0.2
ポン酢しょうゆ 0.4
ケチャップ 0.2
中濃ソース 0.3
マヨネーズ 0.1

■加工品、コンビニ

食品 食塩相当量(g)
ソーセージ1本 0.3
スライスチーズ1枚 0.5
かまぼこ3切れ 1.0
漬物盛り合わせ 4.5
おにぎり 1.1
サンドウィッチ 1.3
幕の内弁当 3.8

■外食

食品 食塩相当量(g)
きつねうどん 5.8
そば(そばちょこ1杯) 2.7
ラーメン 6.0
ミートソースパスタ 2.8
牛丼 3.8
焼き魚定食 5.1
鶏の照り焼き定食 6.1
焼き鳥2本 1.0
味噌汁1杯 2.3
スープ1杯 1.0

※1.Frank M. Sacks et al(2001)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM200101043440101
※2.参考:香川芳子(2012)「毎日の食事のカロリーガイド」,女子栄養大学出版部,改訂版 五訂増補日本食品標準成分表

執筆者プロフィール

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朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。