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生命保険文化センターは「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」の結果を公表しました。
この調査では、一般家庭の生命保険加入状況を中心とした生命保険に関する考え方などをまとめています。
生命保険加入率は約9割で横ばい 医療保険・介護保険加入者が増加傾向
2人以上世帯の生命保険加入率を見ると、全生保は89.2%、共済などを除いた民間生保(民保)は79.9%で、前回よりやや減少しているもののほぼ変わらない結果となりました。
病気やケガで入院や手術を受けたときに給付金などを受け取れる医療保険・医療特約の加入率は、世帯・世帯主・配偶者いずれも上昇しており、特に世帯は95.1%と調査開始以来の高い結果となりました。
また、今回から調査項目に追加された所定の先進医療での療養を受けたときに給付金などを受け取れる先進医療特約は、世帯加入率が54%と半数以上が加入している結果でした。
寝たきりなどになって介護が必要な状態となったときのための介護保険・介護特約の加入率も上昇傾向が見られ、世帯加入率は初めて20%超でした。生存時のリスクについて注目度が高まっている様子がうかがえます。
2人以上世帯の死亡保険金額は減少傾向 全生保では2,000万円を切る
死亡時に保険金を受け取れる普通死亡保険の保険金額は、2人以上の世帯において2012年以降、年々減少傾向にあります。
2024年の全生保での世帯普通死亡保険金額は1,936万円で、2,000万円を切りました。
一方で前年からの減少額は91万円と、ここ10年で最少の減少幅になりました。
保険金額の減少も影響してか、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯年間払込保険料も前年より1.8万円減の35.3万円でした。
単身世帯の加入傾向も生存リスク重視
単身者の生命保険加入率は全生保で45.6%、民保で37.3%と、2人以上の世帯に比べて加入率は少ない結果でした。
医療保険・医療特約の加入率は最も高く67.2%、次いでガン保険・ガン特約が39.1%、先進医療特約が22.1%の順で高くなっています。
期待できる経済的準備手段では、「万一」「入院」のいずれも備えをしている人は「預貯金・貸付信託・金銭信託」で備えていると回答していましたが、「期待しているものはない」「遺族はいない」とする人がより多くなっているなど、2人以上世帯と異なる傾向が見られました。
今回の調査から、単身世帯の生命保険加入実態も新たに追加されました。
<出典URL>
生命保険文化センター「2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」(2025年1月発行)」