写真:PhotoAC
2025年4月、生活必需品や公共料金の値上げが相次いで実施されています。飲食料品の値上げ対象となる品目数は、値上げのピークともいわれている2023年10月に近い数が対象になりました。また、公共料金は電気・ガスいずれも前月に比べて数百円の値上げが行われています。
酒類・飲料が20%の値上げ 加工食品や調味料なども含めると全体平均15%の値上がり
帝国データバンクの調査によると、主要な食品での4月の値上げ品目や値上げ率は以下の通りです。
「食品分野別の値上げ品目数(2022年~2025年)」
出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年4月
食品分野、品目数、値上げ率、うち4月品目数
加工食品:3,499 16% 659
調味料:3,294 12% 2,034
酒類・飲料:2,089 20% 1,222
菓子:664 19% 70
乳製品:611 8% 207
パン:1,440 6% 0
原材料:110 10% 33
値上げ品目数が多かったのは調味料で、次いで酒類・飲料となりました。
値上げ率は酒類・飲料が最も高く、次いで菓子、加工食品の順で高くなっています。
特に影響が大きいのは原材料の値上げで、物流費やエネルギーも値上げに関係しているとされています。
「値上げ要因の推移(品目数ベース)」
出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年4月
原材料高 97.8%
エネルギー 61.3%
包装・資材 58.8%
物流費 81.8%
円安(為替の変動) 12.9%
人件費 45.1%
[注]値上げ要因には一部重複を含む
よりうち2025年1~9月分を引用
電気料金・ガス料金も100円~400円の値上げ 政府による補助金終了も要因
電気・ガス料金の値上げも各社で相次いでいます。
電気会社各社によると、5月分(4月使用分)の平均モデル※1の料金と前月からの値上がり額は以下の通りです。
北海道電力:9,549円(前月比+394円)
東京電力:9,031円(前月比+436円)
関西電力:7,791円(前月比+465円)
九州電力:7,671円(前月比+448円)
※1 使用電力量260キロワットアワー/月
また、ガス会社各社の5月分(検針分)の料金平均モデル※2および前月比は以下のようになります。
東京ガス:6,025円(前月比+139円)
大阪ガス:6,579円(前月比+141円)
東邦ガス:6,841円(前月比+134円)
西部ガス:6,708円(前月比+106円)
※2 東京・大阪ガス:使用量30立方メートル/月、東邦ガス:使用量29立方メートル/月、西部ガス:使用量23立方メートル/月
値上げの要因としては、太陽光発電などの普及のために設けられた再エネ賦課金の値上げや、電気・ガス料金負担軽減支援事業の政府支援終了が影響しています。
<出典URL>
ほくでん「2025年5月分電気料金の燃料費等調整に関するお知らせについて」
東京電力エナジーパートナー「燃料費調整のお知らせ(2025年5月分)」
関西電力「2025年5月分電気料金の燃料費等」
九州電力「2025年5月分電気料金の燃料費等調整単価をお知らせします」
東京ガス「原料費調整制度に基づく2025年5月検針分のガス料金について」
大阪ガス「2025年5月ガス料金の原料費調整について」
東邦ガス「原料費調整制度に基づく2025年5月検針分のガス料金について」
西部ガスホールディングス「2025年5月検針分都市ガス料金の原料費調整について」