結婚をしたら、多くの人が保険に新しく契約するか、既に入っている保険を見直します。でも子どもがいないうちは、急いで保険に入らなくても良いのでは? と思う人もいるいるでしょう。なぜ、「結婚」のタイミングに保険に入るのが良いのでしょうか?
結婚直後に保険に入りたい人は半分以上
みんなのウェディング×アクサダイレクト生命が実施した「結婚と保険」に関するアンケート調査によると、調査対象の45.6%が入籍後に保険を見直しています。
また、パートナーに生命保険に加入してほしいタイミングは、「入籍後、かつ結婚式が終わってから」という人がトップで41.3%、「入籍後、かつ結婚式の前」という人が15.5%です。半数を超える人が、法的に結婚したタイミングですぐに保険に入りたいということがわかります。
結婚したら必ず保険に入らねばならないわけではない
結婚を保険加入のタイミングと考えている人が多いようですが、結婚したからといって、必ずしも生命保険に入らなければならないわけではありません。夫婦2人の生活なら、もしどちらかが亡くなったとしても、遺された方が生活に困るリスクは低いからです。
専業主婦で、もし旦那さまが亡くなっても働かない、という方でも、旦那さまが会社員なら遺族年金を受け取れますし、共働き夫婦なら、奥さまが働いて収入も得られます。
生活費以外で、万が一亡くなったときには、お葬式代も考えておかねばなりません。日本消費者協会によると、葬儀にかかる費用は全国平均で約200万円(「第9回葬儀についてのアンケート調査」2010年)ですから、夫婦がそれぞれ200万円~300万円持っていれば、パートナーに負担をかけずにすみます。
お互いにまったく貯蓄がないなら、いざというときのために200万円~300万円くらい下りる保険があると安心です。ただしすでに貯蓄があれば、わざわざ保険に入る必要はありません。独身時代に入った保険があれば、それを活かすこともできます。
ですから、結婚したからといって3,000万円や5,000万円といった高額の生命保険に新しく入らなければならないわけではないのです。
保険に入る本当の意味は「生きるお金」を考えること
では、独身時代からの保険があるか、貯蓄がある人は、保険について全く考えなくても良いのか? というと、そうでもありません。結婚をしたら、ぜひ夫婦で保険について考えることをオススメします。それは、パートナーが「死んだ時のお金」のためではありません。夫婦で「生きていくためのお金」のためです。保険を考えることで、結婚生活を送っていくためのお金についてじっくり話し合えるのです。
結婚生活を「生きていくためのお金」とは、生活費、ライフプランでかかる費用、リスクに備える費用の3つです。
■1:生活費
新婚当初は、ふたりの生活費がいくらになるかまだ見当がつきません。また、結婚して同居を始めても、お財布を別々にしていると、1世帯としての生活費はよくわからないままになることもあります。
ですが、生命保険を検討すると、「もし今、自分が死んでしまったら、遺された相手にどんな人生を送ってほしいか?」を真剣に考えることになります。家賃がいくらの住まいで、どれくらいの生活水準で暮らしていくのか? 今の生活費がいくらなのかがわからなければ、それらの答えも出ません。
「今、ふたりで毎月30万円」のように生活費がわかれば、「1人になったら20万円くらいあれば大丈夫だろう」ということがわかります。保険を考えると、「毎月いくらでやりくりしていくか?」や、夫婦で家計をどのように分担するかも決めることができます。
■2:ライフプランでかかる費用
子どもはいつ、何人欲しいか? 学校は高校まで? それとも大学まで行かせるか? マイホームはほしいか? 買うならいつ、どこに、どんな家が良いか? といったライフプランにかかるお金のことは、結婚当初にはまだ考えなくても保険には影響ありません。
ですが、きっかけがなければ、夫婦でしっかり話し合わないままにもなりがちです。保険について考えれば、子どもやマイホームなどのイメージを具体的に描くチャンスになります。そして、そのイベントを迎えるときが、保険を見直すタイミングになることもわかります。
■3:リスクに備えるお金
亡くなって生命保険を受け取ることはなくても、病気やけがで入院するおそれは誰にでもあります。そうしたら、治療費は誰が出すのか、保険の給付金をもらうなら、誰が手続きをするのか、仕事を長期間休んで収入がダウンしたら、その分はどうカバーするか?
保険について話し合えば、いざというときに、お互いのピンチをどう助け合うかを決めておけます。
保険を考えることは、結婚生活のスタートを切ること
もちろん、保険を考えなくても、これらについて考えることはできます。また、結婚生活でかかるすべてのお金を、貯蓄や投資などで準備できる人には、保険は必要ありません。ですから、保険を検討しても、結果として契約しない、という答えもありえます。
ただ、お金について何も考えずに結婚生活をスタートしてしまうと、そのままずるずると家計管理がルーズになりがちです。その結果、子どもの教育費が足りなくなったり、希望通りのマイホームが買えなかったり、いざ夫婦のどちらかが病気になった時に、生活そのものがたちゆかなくなるおそれもあります。
幸せの絶頂にある新婚カップルが「もし今、死んでしまったら?」なんて考えるのは嫌なものです。でもその問いは、生きて迎える将来を、明るいものにしてくれるのです。
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