野菜は1日に350g必要、ということは、多くの人が知っているでしょう。これは、厚生労働省が健康づくりのための指針「健康日本21」で定めた数字です*1。でも、実際にはこの水準をクリアできている人はあまり多くありません。350gを達成するには、何をどれくらい食べればよいのでしょうか?
平均で小鉢1つ分弱不足している
350gの野菜とは、色の濃い野菜の緑黄色野菜を120g、その他の野菜を230gのこと※1。
平成27年度国民健康栄養調査によると、推奨されている350gの野菜を実際に摂れている人は男性で33.7%、女性で31.4%です*2。また、年代別でみると若い世代ほど摂取量は低く、20代で350g以上摂取している人は男性で22.7%、女性で18.4%の状況です。
成人の1日の野菜の摂取量は平均293.6g。男女別でみると、男性299.4g、女性は288.7g、平均して55g程度不足していることになります。小鉢1皿分が70gなので、その4分の3ほどにあたります。
野菜を上手に摂る方法
一日に350gの野菜を摂るには、何をどれくらい食べればよいのでしょうか?ほうれん草のお浸しなどの小鉢は、1皿70g程度にあたります。ですから、小鉢を5皿摂ると350gをクリアできます。
しかし、3食まんべんなく野菜を摂るのは難しいもの。特に外食が多い人や、一人暮らしで野菜を買っても余って使い切れない人などは、野菜を摂ることを難しく感じているのではないでしょうか。
そこで、350gを達成するための具体的な方法をご紹介しましょう。
■外食が多い方
まずは、朝食に野菜スープやスムージーを取り入れてみましょう。簡単に多くの野菜を摂ることができます。また、朝食を抜くと野菜を摂るチャンスも逃してしまうので、必ず摂るように心掛けたいところです。
外食するときには、定食に小鉢を2つ追加したり、野菜が摂れなかった翌日には、野菜がたっぷり摂れるお鍋を選ぶなどで、調整を心掛けてみましょう。
■一人暮らしの方
野菜を買っても余ってしまう方は、さっと茹でて冷凍したり、残った野菜をスープやお鍋にして翌日の朝や夕食にしたりはいかがでしょうか? 余ったら冷蔵庫に保存して腐らせてしまうのではなく、上手に使いまわしていきましょう!
野菜もちょっとした工夫で忙しい毎日の中でも摂ることが可能です。作り置き、冷凍保存、簡単調理など様々な方法がありますので、楽しみながら取り入れていきたいものです。
※1健康日本21
※2厚生労働省 平成27年国民健康栄養調査
執筆者プロフィール
朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。
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