【健康コラム】グルテンフリーってなに?

Last Updated on 2017/09/25 by

近年よく耳にする「グルテンフリー食」。特にアメリカでは大手のスーパーでもグルテンフリー食品は手に入り、レストランでも対応は必須となりつつあります。ダイエットにもよいという情報もありますが、なぜ注目されているのでしょうか?

なぜグルテンフリーが注目されているのか

タンパク質の一種に「グルテン」がありますが、これを除去した状態をグルテンフリー、除去した食品が「グルテンフリー食品」と言われています。
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近年アメリカを中心にグルテンフリー食品の需要が増えてきました。その理由には、グルテンに関連した疾患である「Celiac diseaseセリアック病」、「Wheat allergy小麦アレルギー」、「Non-celiac gluten sensitivity非セリアック・グルテン敏感性」を抱える方が増えていることにあります。

「Celiac diseaseCDセリアック病」とは、グルテンの小腸での消化の過程に影響を与える(粘膜の萎縮や炎症の発症)自己免疫障害のことです。「Wheat allergyWA小麦アレルギー」とは小麦に対するアレルギーのこと、「Non-celiac gluten sensitivityNCGS非セリアック・グルテン過敏症」とは、グルテン不耐症とも言われており、セリアック病や小麦アレルギーのような抗体は作らず、セリアック病での特徴である十二指腸粘膜の損傷もないが、グルテンに対して不耐症のことです。

■グルテンに関連した疾患
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上記の表で示したように、非セリアック・グルテン過敏症に関してはまだ明らかになっていない点が多いのが現状です。診断としては、まずはセリアック病と小麦アレルギーでないことを確認した上で、グルテンに対する反応をみて決断するという形がとられています。

特に非セリアック・グルテン過敏症における罹患率はまだ明らかになっていない状況です。その理由としては、多くの人が専門家の診断ではなく、自己診断によって非セリアック・グルテン過敏症としてグルテンフリー食を始めているためです。欧米人に比べて日本人でグルテンに関連した疾患を抱える人の割合は低いと言われていますが、まだ罹患率等に関しては正確なデータは出ていません。(以上*1)

ダイエットによい?

セレブやアスリートでグルテンフリー食を実践して調子がよくなった、ダイエットになったということから、「ダイエットによい」という点でも注目されています。ただし、グルテンフリー食がやせる裏付けとなるエビデンスは現在のところありません。

では、どのようにうまく取り入れていけばよいのでしょうか。世界的にみて、グルテンに関連した疾患が増えていることから、日本でも今後食品や食べ方等の対応は必要になってきます。ただしダイエットを目的とした場合、グルテンを抜いたからやせるという訳ではなく、逆にグルテンフリーの食事は脂質が多いことや食物繊維が少ないことも研究結果では指摘されています。

もし小麦をとった際に何か体調に異変を感じた場合、小麦を抜いたら体調がよくなったと感じた場合は、まずは専門医の診断を受け、その上でグルテンフリー食をどの程度取り入るべきか考えていくべきかと思います。(以上*2)

※参考文献
*1 Bascuñán KA, Vespa MC, Araya M. Celiac disease: understanding the gluten-free diet. Eur J Nutr;2016.
Czaja-Bulsa G. Non coeliac gluten sensitivity – A new disease with gluten intolerance. Clin Nutr.;2015 ;34(2):189-94.
*2 Vici G et al. Gluten free diet and nutrient deficiencies: A review. Clin Nutr;2016.

執筆者プロフィール

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朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。