紹介状がないと一律5,000円 大病院の外来の初診料が高くなりそうです

紹介状を持たずに大病院を受診すると、一律で初診料として5,000円がかかるしくみができそうです。現在、病院を受診した時にかかる「初診料」とは別に、患者さんが負担する料金です。

大病院の外来は、なぜあんなに混んでいるのか?

現在、日本では患者さんはいつでも自由にどこの病院でもかかることができます。大病院でも、地域の診療所でも、基本的には同じ医療費で治療を受けられます。このため、軽症の患者さんでも大病院に行く人が多く、外来が混みあう原因になっています。

大病院の外来には、8割以上の患者が紹介状を持たずに受診しています。200床以上の大病院では、すでに紹介状を持たずに受診する患者さんに対して「5,000円」など一定の自己負担を初診時などに請求しているところもあります。導入している病院での負担金は、初診では平均2,130円(最高8,400円、最低105円)、再診では平均1,006円(最高5,250円、最低210円)です(平成25年7月1日現在)。

しかし、実際に徴収しているのは200床以上の病院のうち、初診については45%、再診については4%にとどまっています。これが、大病院に軽症の人も含め多くの患者さんが受診し、勤務医の負担につながっているといわれています。

軽症ならかかりつけ医へ 重症なら紹介状をもらって大病院へ

そこで検討されているのが、医療機関の役割分担です。軽症の患者さんは地域のかかりつけ医にまずかかる、という習慣を全国に広げようという試みです。厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会では、軽症の患者さんがいきなり大病院に行くのを抑制するために、紹介状がなければ一律で5,000円の初診料を取る、というしくみが検討されています。

かかりつけ医で診察した結果、より専門的な治療が必要な患者さんだけが、大病院を受診するシステムにすれば、大病院が過度に込み合うのを防げます。病院の勤務医も、高度な医療に専念することができ、医療技術の進歩に貢献できるようになります。

一律の初診料は、来年の通常国会での健康保険法改正に盛り込まれる予定です。5,000円という金額はまだ決定したわけではありませんが、多くの病院では初診にかかるお金が今より高くなるでしょう。

参照先:厚生労働省

投稿者プロフィール

マネーステップオフィス編集部
マネーステップオフィス編集部マネーステップオフィス編集部
お金と健康に関する記事・コンテンツ制作実績1万本以上。ファイナンシャル・プランナー(FP)を中心とした専門家による、家計、ライフプラン、保険など、幅広い生活とお金のコンテンツ制作を行っています。