中小企業の社員・パート社員でも、厚生年金に加入しやすくなるかもしれません。厚生労働省は、2015年の通常国会に厚生年金保険法の改正案を出す予定であることがわかりました。
厚生年金は、企業の正社員が加入する公的年金制度で、国民年金のみに加入するのに比べて、老後の年金給付が手厚くなるしくみです。
現在、正社員については企業の規模にかかわらず厚生年金に加入するのが一般的になっていますが、パート社員については、週30時間以上働く人だけが加入することになっています。2016年10月には、週に20時間以上働く人で月収が8.8万円以上の場合は追加で加入することが決まっています。しかしこれは、501人以上の企業に限った対応です。
今回の改正案では、500人以下の中堅・中小企業で働くパート社員でも、労使が合意すれば厚生年金に加入できるようにするものです。
現在、国民年金のみに加入している場合には、65歳からの公的年金は月6万円余りしか受け取れません。厚生年金に加入すれば、老後のそなえをより手厚くすることができるようになります。
厚生年金、中小パート入りやすく 週30時間未満にも門戸
厚生労働省は中小企業の社員でも手厚い給付を受けられる厚生年金に加入しやすくする。従業員500人以下の企業で働くパート労働者も労使が合意すれば加入できるようにする。月6万円余りしか受け取れない国民年金からの切り替えを促し、老後の生活資金を確保しやすくする。
厚労省が18日に開く社会保障審議会の年金部会で提案し、2015年の通常国会に厚生年金保険法の改正案を出す。
パート労働者は現在、企業の規模にかかわらず週30時間以上働く人だけ厚生年金に加入している。16年10月には、週に20時間以上働く人で月収が8.8万円以上の場合は追加で加入させることが決まっているが、対象は501人以上の企業に限っていた。500人以下の中堅・中小企業で働くこうした労働者も、労使の合意を前提に加入できるようにする。
(2014/9/17 日本経済新聞)
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