フィトケミカルとは
Phytochemical(フィトケミカル・ファイトケミカル)とは、
「植物に含まれる化学物質で、病気の予防等に効果のある成分をさしています。「phyto-」はギリシャ語で植物を意味します。」※1としています。
主に野菜、果物、穀物などから何万ものフィトケミカルが発見されていて、その栄養価の高さが注目されています。
フィトケミカルの効果についての研究
様々なフィトケミカルについて研究がされていて、健康への効果についての報告がされてきています※2-4。
数多くの研究によって、フィトケミカルと健康との関連が認められているものは多いですが、特定のフィトケミカルが単独で影響を与えているのか、複数のフィトケミカルや他のビタミンやミネラルと相互作用で影響しているのかが研究の限界としても言われています※5。
主なフィトケミカルの種類と働き
フィトケミカルは、主にポリフェノール系、イオウ化合物、カロテノイド系、テルペン系にわけらます。
フィトケミカル | 食品 | 期待できる働き | |
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ポリフェノール系(フラボノイド系とフェノール酸系) | イソフラボン | 大豆、大豆製品(豆乳・豆腐・納豆など) |
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カテキン | お茶 |
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カロテノイド系 | カロテン | にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜 |
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ルテイン | ほうれん草、 トウモロコシ、ブロッコリー、ケールなどの緑黄色野菜や卵黄 |
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テルペン類 | ハーブ、かんきつ類 |
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イオウ化合物 | にんにく、にら、ねぎ、たまねぎなど |
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なお、「抗酸化作用」「殺菌作用」については、フィトケミカル自体に働きはあるものの、がんを予防するといった健康への効果は一貫していません。
※1 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
※2 Francis ST et al,. The effect of flavanol-rich cocoa on the fMRI response to a cognitive task in healthy young people. J Cardiovasc Pharmacol. 2006;47:215-220.
※3 Tanaka K et al. Intake of Japanese and Chinese teas reduces risk of Parkinson’s disease. Parkinsonism Relat Disord. 2011;17(6):446-450.
※4 Zhang YB et al,. Soy isoflavone supplementation could reduce body weight and improve glucose metabolism in non-Asian postmenopausal women–a meta-analysis.
※5 Barbieri R et al,. Phytochemicals for human disease: An update on plant-derived compounds antibacterial activity. Microbiol Res. 2017;196:44-68
執筆者プロフィール
朴沢広子(ほうざわひろこ)
栄養士、慶應義塾大学院健康マネジメント研究科スポーツマネジメント専修博士課程在籍、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。同大学健康マネジメント研究科修士課程修了後、女子栄養大学にて栄養士を取得。現在、中小企業の勤労者の健康状態、健康行動について研究している。忙しい毎日の中で実践できる、より楽しく、健康的な食事の提案に努めている。
投稿者プロフィール
- お金と健康に関する記事・コンテンツ制作実績1万本以上。ファイナンシャル・プランナー(FP)を中心とした専門家による、家計、ライフプラン、保険など、幅広い生活とお金のコンテンツ制作を行っています。